「
フェブラリーS・G1」(18日、東京)
3月頭に定年引退を迎える安田隆行調教師(70)=栗東=が、最後のJRA・G1に送り出すのは
レッドルゼルだ。これまで3年連続で挑戦して(4)(6)(2)着と、Vまであと一歩。気温の低下とともにコンディションも上昇
チャートを描く。得意の季節に悲願の
ビッグタイトルを手にするか。
名伯楽のラストを飾るにふさわしい動きだった。
レッドルゼルは栗東坂路で単走。楽な手応えでキビキビと駆け上がり、4F55秒2-40秒1-12秒8をマーク。前走時とは打って変わって、絶好の仕上がりを示した。
安田隆師は「気性の激しさがあって、水曜にやると競馬までにプレッシャーがかかるので」と木曜追いの意図を説明。「乗り手も言っていましたが、“(手綱を)放せば50秒が出そうだった”と。馬が走りたがっていて、今回はいい状態で臨めると思います」と納得の表情を浮かべた。
昨年の夏は記録的な酷暑の影響もあり、「馬が重度の熱中症になった」と師。それが尾を引き、前走の武蔵野Sでは本来の伸び脚が影を潜めて3着止まりだった。しかし、冬本番の今は違う。「この時季は最高の季節です。カナロアも夏が駄目でしたけどね。今は本当にいい」と、改めて“冬馬”をアピールした。
かつて手掛けて世界を制した
ロードカナロアの産駒で挑む、JRA最後のG1。
レッドルゼルは4年連続の参戦で、(4)(6)(2)着とあと少しで手の届くところまで来ている。「いい出会いができて、いい別れができて…。4回目になりますが、ぼちぼちトップを獲ってもいいのではと思います。最後と思っていませんでしたが、最後になってしまいました。僕にとって最高のプレゼントをしてほしいです」。騎手、調教師として華々しい活躍を見せた、半世紀以上のホースマン人生をさらに彩ることができるか-。
提供:デイリースポーツ