現地時間2月17日(土)にカタール・アルライヤン競馬場で、アミールスウォード・
フェスティバルが開催される。
メインレースの1つであるアミールトロフィー(嘉G1/国際G3)は、1着賞金142万5000米ドル(日本円で約2.1億円)の高額賞金が設定されており、日本から
サトノグランツ、
ゼッフィーロ、
ノースブリッジの3頭が出走。そのほか、各国からも強豪が集い、計11頭立てで行われる。
日本の競馬ファンにとって、カタール競馬は馴染みが薄いと思われる。だが、ファンのよく知るところで「カタール」の文字は目にしているはず。それは、
凱旋門賞。『Qatar Prix de l'Arc de Triomphe』とあるように、カタールの資金が使われており、賞金の大半を拠出しているのだ。
カタールの
フラッグキャリアであるカタール航空は、世界各国のスポーツ活動や芸術などを支援することで国際活動に貢献しており、その中にカタール競馬馬事クラブ(Qatar Racing and Equestrian Club=QREC)も含まれる。同社とQRECはパートナーシップを提携。今回の『アミールスウォード・
フェスティバル』、そして『
凱旋門賞』、さらに英国の『
グッドウッド・
フェスティバル』と3つの競馬イ
ベントのスポンサーとなっている。
凱旋門賞は99年以降、バ
リエール・カジノグループが100万ユーロ、フランスギャロが100万ユーロを出し合って賞金を拠出していたが、前者とのスポンサー契約が終了するにあたり、200万ユーロを支出できる広告主を募集。そこで手が挙がったのがQRECだった。スポンサーとなった08年からは賞金がそれまでの倍に増え、レースの地位、価値もさらに上昇。QRECの援助によって、500万ユーロにのぼる
凱旋門賞の総賞金、および
凱旋門賞ウィークエンドの高額賞金は維持されている。
また、QRECは馬術の振興にも携わっており、アラブ種(純血アラブ)による競馬の繁栄にも注力。
凱旋門賞のスポンサーとなったのも、こういった背景があり、欧州でアラブ種による国際レース拡大にこぎ着けた。
凱旋門賞ウィークエンドには、アラブ種で世界トップクラスの賞金を誇る「ア
ラビアンワールドカップ(純血アラブG1)」が行われている。欧州、中東でアラブ種による競馬がいまだ盛んなのは、QRECの力によるところも大きいようだ。
19年の
ユウチェンジ以来、史上2例目となる日本馬のカタール出走。高額な賞金に加え、近隣のサウジ、ドバイへの熱心な出走意欲を見れば、今後ますます遠征は増えていくと思われる。世界中で活躍を続ける日本馬。今週末は、カタールでの初勝利を期待したい。