今年は4年に1度のうるう年で2月29日が存在。うるう年と競馬という観点でみると、84年の
グレード制導入以降、2月29日に行われた
JRA重賞は2レースしかない。いずれもちょうど20年前のことだった。そこで04年2月29日に行われた2つの重賞、
中山記念と
阪急杯を振り返りたい。
先にスタートしたのは中山の
中山記念だった。勝ったのは
武豊騎手が騎乗した
サクラプレジデント。前年の
皐月賞2着馬であり、
札幌記念の覇者。秋は
菊花賞が9着、
ジャパンCが14着と大敗を喫していたが、この時はGII、それも得意の1800mとあって単勝オッズ2.1倍の1番人気に支持されていた。
レースは中団を追走。4角手前で外から押し上げると、直線に向いて楽々と先頭へ。この時点で勝負あった。追い込んできた
サイドワインダーに2馬身半差をつけて、1分44秒9のコースレコードでの勝利だった。その後は体調が整わず、春は全休に。復帰戦の
天皇賞(秋)で14着に敗れた後、左前脚に浅屈腱炎を発症。念願のGIタイトルが見えてきていたところで、惜しまれつつ引退となった。
この
中山記念の10分後にスタートしたのが
阪急杯だった。レースを制したのは3番人気の
サニングデール。名古屋所属の吉田稔騎手と初めてコンビを組み、道中は中団インで脚をためる。直線に向くと加速し、先に抜け出した
シーイズトウショウをゴール前でわずかに捕らえ、1年2カ月ぶりとなる4つ目の重賞タイトルを獲得。この勝利で勢いに乗り、続く
高松宮記念で悲願のGI初制覇を果たすことになる。
今年は2月25日の開催となるが、
中山記念と
阪急杯ではどんなドラマが待っているのか。ちなみに
武豊騎手が
ソーヴァリアントで
中山記念を勝てば、このとき以来のVとなる。そんなことにも注目しながら、週末を心待ちにしたい。