「
中山記念・G2」(25日、中山)
名手の巧みなエスコートが光った。7番人気の伏兵
マテンロウスカイが、好位3番手から鮮やかに抜け出して初のタイトル奪取に成功。歴代最多のレース6勝目を飾った
横山典弘騎手(56)=美浦・フリー=は、自身が持つJRA重賞最年長V記録を56歳3日に更新した。2着に10番人気の
ドーブネ、3着には4番人気の
ジオグリフが入り、3連単は54万2050円の波乱決着に。1番人気の
ソールオリエンスは猛追及ばず4着に敗れた。
雨中の中山でニューヒーローが誕生した。5歳馬
マテンロウスカイが鮮やかに抜け出し、4度目の挑戦で重賞初制覇。巧みにエスコートした横山典は「(松永)幹夫と、オーナーの(寺田)千代乃さんの馬で勝てて良かった」と笑顔満開だ。しかも、自身は23日に56歳の誕生日を迎えたばかり。「いつでも勝てばうれしいですよ」と二重の喜びにご機嫌だった。
「ある程度、展開は読めていた」。そう語った鞍上は、3番手のインで泥をかぶりながらの追走にも「狙った通りのポジション。リズム良く、上手に走ってくれた」と涼しい顔で振り返る。直線は早めの
ゴーサインで抜け出すと、稍重馬場で伸びあぐねるラ
イバルを尻目に2馬身突き抜けた。
騎手時代の同期タッグでの勝利。松永幹師も「きょうの1着はスカッとしました」と破顔一笑だ。3歳秋に去勢手術を行うなど、若馬の頃は気難しさを抱えていたが、「去年の秋くらいから“馬が変わったな”と思えるくらい、すごく良くなっていました」と完全本格化を伝えた。
この勝利で
大阪杯(3月31日・阪神)の優先出走権を獲得。「(横山)ノリとも相談しながら考えたい。以前、阪神を使った時に暴走したので」と指揮官は明言を避けたが、鞍上は「昔は荒かった気性も、だいぶ丸くなってきた。これから頑張ってくれると思います」と今後の活躍に期待をかけた。
皐月賞馬2頭を撃破するなど、充実期に入った
モーリス産駒。その進撃は、まだ始まったばかりだ。
提供:デイリースポーツ