暦はまもなく3月。今週からクラシックの
トライアルが始まる。そこで今回は
桜花賞と
皐月賞の優先出走権があるレースを整理しつつ、近10年を振り返って
トライアル別の成績をチェックしたい。
最初に優先出走権を確認しよう。まずは
桜花賞から。こちらは
チューリップ賞と
フィリーズレビューの3着以内、
アネモネSの2着以内に権利がある。ちなみに90年までは
フィリーズレビュー(以前は4歳牝馬特別)の5着以内に権利があったのだが、当時を覚えている人はどれくらいいるだろうか。一方、
皐月賞は
弥生賞ディープインパクト記念(19年までは
弥生賞)と
スプリングSの3着以内、
若葉Sの2着以内に権利がある。こちらも90年までは
弥生賞と
スプリングSの5着以内に権利があった。したがって
皐月賞には権利のある馬が最高で10頭も出走していたことになる。逆にいえば、権利のない馬にとって
皐月賞は実に狭き門だった。
続いては近10年の傾向をチェックしよう。
桜花賞は
チューリップ賞組が[3-8-6-30]の好成績。
チューリップ賞がGIIに昇格した以降は勝ち切れていないが、昨年は
トライアルで2着だった
コナコースト、3着だった
ペリファーニアが、そのまま本番でも2着、3着。昔も今も
チューリップ賞組は
桜花賞で要注意といえる。対照的に
フィリーズレビュー組は[1-0-2-43]とイマイチ。
アネモネS組に至っては[0-0-0-22]と1頭も馬券に絡めていない。
皐月賞はどうか。こちらは
弥生賞組が[0-5-2-33]、
スプリングS組が[1-1-2-33]、
若葉S組が[0-1-1-17]となっている。つまり
トライアルを
ステップに
皐月賞を制したのは18年の
エポカドーロの1頭しかいないのだ。これは少々驚きだが、3レース合わせると2着は7頭、3着も5頭いる。したがってアタマでは買いづらくとも、馬単や3連単のヒモには加えておきたい。
牡馬も牝馬も、近年のクラシックでは
トライアルを使わない「直行組」が好結果を出す傾向にある。しかしながら、84年の
シンボリルドルフと
ビゼンニシキ、07年の
ウオッカと
ダイワスカーレットのように、ラ
イバル2頭が
トライアルと本番で続けて名勝負を演じるのもクラシックの醍醐味。今年はそんなシーンに出合えることを期待したい。