スマートフォン版へ

伯楽の見立て デビュー前の予言的中

スポニチ
  • 2024年03月01日(金) 05時05分
 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、阪神競馬場ではチューリップ賞(G2)が行われる。17年にこのレースを勝ったのはソウルスターリング。伯楽・藤沢和雄師(22年引退)が管理し、ルメール騎手が騎乗した。

 話はさらに1年、さかのぼる。16年夏の札幌。藤沢和師とルメールと一緒に食事する機会があった。アルコールも進み、皆が本音で話すようになった頃、名調教師が言った。「今週末にデビューする馬は先々楽しみだと思うよ」

 これに対し「先々なので今週ということではないのですね?」と意地悪く返すと、師は笑いながら答えた。「仕上がっちゃったから使うし、もちろん、期待はしているけど、正直、跳びが大きくて、小回り向きの馬ではないかな…」

 その馬こそがソウルスターリングだった。同馬は新馬戦を難なく勝利する。レース後「心配無用の強さでしたね?」と声をかけると、真一文字に結んでいた唇を開いて言った。「勝てば良いというものではありません。競馬ぶりを見ていると、やはり小回りは合わない。クリストフ(ルメール)ともその意見は一致したので、今後は広い競馬場を中心に使っていきたいです」

 有言実行だった。2戦目は東京開催まで待ったため約3カ月後。このアイビーSを勝利すると、3戦目の阪神JF、その後のチューリップ賞と広い阪神で連勝。無敗で迎えた桜花賞こそよもやの3着に敗れたが、続くオークスでは2着に1馬身3/4差をつけて楽勝。すると、藤沢和師はニコリとして言った。「大きいコースの方が合っていますね」。その笑みには「デビュー前から言った通りだろ?」という矜持(きょうじ)がみてとれたものだ。

 藤沢和師は引退したが、ルメールは今年のチューリップ賞ガルサブランカ(木村)に騎乗予定。新潟、東京で1、2着の同馬だが、果たして阪神ではどんなパフォーマンスを見せてくれるだろう? (フリーライター)

スポニチ

いま読まれています

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す