東西で新人騎手8人がデビューする。
大江原比呂騎手(19)=美浦・武市=は祖父が元調教師、父が調教助手という競馬一家の出身。現役7人目の女性ジョッキーとして土日の中山計9鞍で初勝利を目指す。また、定年を迎える調教師7人はトレーナー人生ラストウイークを迎える。
祖父は元騎手で元調教師の大江原哲氏。父は蛯名正厩舎の大江原勝助手。
大江原比呂は競馬一家で育ったこともあり、デビュー週を迎えても緊張している様子はうかがえない。「楽しみです。トレセンでは競馬に乗る馬にも乗せていただいて。土曜日に競馬場に行くと緊張するのかとも思うのですが」。ワクワクする気持ちが上回っている。
土、日曜は中山で9鞍に騎乗する。日曜5R3歳未勝利戦(芝1600メートル)の自厩舎
パストラーレは4戦して2着3回の有力馬だ。「返し馬を丁寧に、馬がカッとならないよう落ち着いて乗りたい。先生も細かく相談してくださって『馬の邪魔をしないようにしっかり乗ってこい』と言われています」と初勝利へのイメージを描いている。
競馬は「男の世界だから」と騎手になることは考えていなかった。だが藤田菜七子の活躍する姿を見て憧れ、思いが変わった。幼少期の夢は幼稚園年長から始めた器械体操の選手。「体の柔らかさには自信があります。愛馬心も誰にも負けません」。得意種目は幅10センチの上で勝負する平均台。その何倍も広い鞍の上での
バランス感覚は折り紙付きだろう。
土曜は家族が中山で見守る。日曜は哲氏も観戦する。初勝利を挙げれば、目に入れても痛くない孫のお祝いにスタンドを駆け降りていくだろう。本人は「感謝の気持ちを忘れず、目標は新人賞」。スタートダッシュに気合を込めた。
提供:デイリースポーツ