定年のため5日で厩舎を解散する7人の調教師が3日、最後の開催に臨んだ。国内外でG1を6勝した
ロードカナロアなどを育てた、安田隆行調教師(70)=栗東=は騎手時代に活躍した小倉競馬場で開催最後の日を迎えた。この日は管理馬が阪神2Rで勝ち、JRA、地方、海外を合わせた通算勝利を998まで積み重ねた。6頭出しの中野栄治調教師(70)=美浦=は中山で2勝を挙げ、有終の美を飾った。なお、飯田雄三調教師(70)=栗東=は2日に最後の出走を終えている。
半世紀に及んだホースマン人生を思い出の競馬場で終えた。騎手時代に開催45週連続勝利を挙げ、“小倉の安田”と称された安田隆師は、自身の礎を築いた小倉で最後の日を迎えた。昼休みにあった引退セレモニーで多くのファンを見ると感極まって思わず男泣き。「騎手時代、調教師時代、本当に多くのファンに熱い声援をいただきました」と感謝を伝えた。
72年に騎手デビューし、
トウカイテイオーで
日本ダービーを制するなど680勝。95年の調教師転身後は
ロードカナロアや
カレンチャンなど名ス
プリンターを生み出し、“短距離王国”を築き上げた。
地方、海外と合わせて積み上げた勝ち星は「998」。最後の出走馬(中山12R
フェズカズマ10着)を小倉の検量室で見届けると「ついに終わったなと、実感が湧いてきました。長いようで終わってみればあっという間の52年間でした」としみじみ思いを巡らせた。
目標としていた1000勝にはわずかに届かなかったが後悔はない。「競馬のために生まれてきた幸せな人生、最高の人生でした。クラシックを勝ちたかったけど、欲を言えば切りがないからね。本当に満足の行く調教師人生でした」。騎手として、調教師として記憶に残る名馬に携わった名ホースマンは晴れやかな表情でターフを去った。
提供:デイリースポーツ