きょう3月8日は「国際女性デー」。女性の権利と国際平和を祝う日として、1977年の国連総会にて定められた。女性の社会進出が進む中、競馬界においても毎年のように女性騎手が新たに生まれ、昨年は
JRA初の女性調教師も誕生。その存在感は高まりつつある。
日本において初の女性ジョッキー誕生は36年のことだった。斉藤澄子騎手がそのパイオニアとなったが、当時の時代背景から一度もレースに出ることなく引退。のちに岩田富子騎手(騎乗速歩競走)や66年の高橋クニ騎手(繋駕速歩)がレースで騎乗したが、平地では69年の
高橋優子騎手までいなかった。
機会拡大のはじまりは
地方競馬から。86年に免許取得した吉岡牧子騎手は“益田競馬のスター”として女性騎手の存在を世に広め、南関東競馬やアメリカで活躍する土屋薫騎手、アイドル的なルックスでも話題となった小田部雪騎手など、全国に女性ジョッキーは増えていった。
JRAでは96年デビューの細江純子騎手、牧原(増沢)由貴子騎手、田村真来騎手が初。13年には女性騎手が不在となったが、16年に藤田菜七子騎手がデビュー。今年3月2日に初陣を迎えた
大江原比呂騎手をはじめ4年連続で女性騎手が誕生し、現在は7名が活躍している。また
地方競馬では、ばんえいを含めて11名。日本競馬全体で見れば計18名が、日々のレースを沸かせている。
調教師は昨年、新たな歴史の扉が開いた。
前川恭子氏が免許試験に合格し、
JRA初の女性調教師が生まれた。現在は技術調教師として、来年の開業に向けて準備を進めていくことになる。また
地方競馬では引退した土屋千賀子師を含めて、これまでに8人。しかし
JRA/NAR所属でGI級レースを制した女性騎手、女性調教師は生まれていない。
ただ海の向こうに目を向けるとG1を制す事例も。英国のH.ターナー騎手や米国のJ.クローン騎手は多数の
ビッグタイトルを獲得し、先週まで短期免許を取得していたR.キング騎手もG1勝ちの経験がある。また、02年の
中山大障害をニュージーランドのR.
ロケット騎手が制している。
女性調教師たちも大舞台で結果を残す。仏のC.ヘッドマーレック師は
トレヴで13年と14年の
凱旋門賞を連覇。豪州のG.
ウォーターハウス師は
オーストラリア競馬殿堂入りを果たし、J.アントヌッチ師は昨年の
ベルモントSを制して、女性調教師として初めて米クラシック制覇を達成した。
騎手・調教師以外にも今月3日には、ラジオNIKKEIの藤原菜々花アナウンサーが中山競馬場で場内実況デビューを果たし話題になった。競馬のさまざまなシーンで活躍する女性たち。これからも活躍の幅はさらに広がっていくだろう。