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桜花賞・G1」(4月7日、阪神)
先週のフィリーズR、
アネモネSをもって
桜花賞トライアルが全て終了。牝馬クラシック1冠目の出走メンバーが大方出そろった。近年の傾向では
トライアル組よりも休み明け組が圧倒的に結果を残しており、今年もその傾向通りの見立て。昨年暮れの
阪神JF以来となる2歳女王
アスコリピチェーノが桜冠に最も近い存在とみた。
ホープフルSを牝馬として初めて制した
レガレイラが
皐月賞参戦を表明。ならば、最優秀2歳牝馬のタイトルを争ったもう一頭、
アスコリピチェーノ主役で異論はないだろう。
新馬戦を勝って臨んだ新潟2歳Sでは、終始馬群の外を回る形ながら、直線で力強く脚を伸ばして牡馬を撃破。続く
阪神JFも隙のない立ち回りでラ
イバルを封じ込め、
ソダシ以来となる負けなしの3連勝で2歳女王の座を獲得した。能力の高さはもちろんのこと、関西への輸送もクリアし、本番と同じ舞台で結果を出したことは大きなアドバンテージになる。当時が3カ月半ぶりだったことから、今回のぶっつけ本番も特に問題はない。
格付けランキングで1位に君臨しているようにポテンシャルは世代屈指。
チェルヴィニアが双璧の存在だ。新馬戦こそ逃げの形で持ち味を発揮できなかったが、未勝利戦-アルテミスSが圧巻のパフォーマンス。上質な瞬発力を持ち合わせており、広い外回りコースは歓迎だ。不安があるとすれば、初めてとなる右回りへの対応、そして過去に例のないローテ。ただ、全てをクリアしてもおかしくない逸材だ。
デイリー杯クイーンC覇者の
クイーンズウォークも無視できない存在。新馬戦から3戦全てで上がり最速をマークするなどスケールの大きな走り。素材は間違いなく一級品だ。
阪神JF2着の
ステレンボッシュは距離が延びて良さそうな印象だが、女王に迫った末脚は威力抜群。立ち回りひとつで逆転戴冠まである。
近年は本番への直結度が低くなった
トライアル組。今年も有力馬の参戦は少なく、
チューリップ賞が5→9→15番人気、フィリーズRが11→1→12番人気での決着だったように、レベル自体に疑問符がつく。
そんなかつての王道・
チューリップ賞を制したのは
スウィープフィート。新たにコンビを組んだ
武豊が末脚を引き出し、鮮やかな差し切り劇にも見えたが、展開に恵まれた感は否めない。正直、上位組とはやや差を感じる。2着
セキトバイースト、3着
ハワイアンティアレもインパクトに欠ける印象だ。
フィリーズRを制したのは
エトヴプレ。初めての千四をクリアしたのはお見事だったが、今回はハナに行き切れたことが大きい。ス
プリント色が強く、さらに1F延びるのは決してプラスとは言えないだろう。一方、2着
コラソンビートは万全の状態ではなかった印象。本番までにどれだけ立て直せるか。実績的に巻き返しは十分あり得る。
アネモネSを制したのは
阪神JFで10着大敗の
キャットファイト。レース内容に強調できる部分もなく、上位争いは難しいだろう。
提供:デイリースポーツ