3歳重賞「第38回
ファルコンS」が16日、中京競馬場で行われ、7番人気
ダノンマッキンリーが後方待機から上がり3F最速の脚で差し切り、重賞初制覇を飾った。落馬負傷による1年1カ月の休養を経て22年6月11日に復帰した
北村友一(37)は初コンビの相棒を勝利に導き、21年
阪急杯(
レシステンシア)以来、3年ぶりの
JRA重賞制覇となった。
大外ズドン。道中14番手から末勝負に徹した8枠15番
ダノンマッキンリーが直線、鞍上の北村友の鼓舞に応え、馬群の外から次々と前をかわす。残り1Fで左ムチを1発、2発。メンバー最速の上がり3F33秒6で逃げ粘る
オーキッドロマンスを捉えて、重賞初Vのゴールへ飛び込んだ。北村友は「調教に乗って難しい馬だと感じていましたが、レースではうまく折り合って、しっかり力を出し切ってくれた」と胸を張った。
昨年、デビュー2連勝で挑んだ
朝日杯FSは3番人気に支持されたが折り合いを欠いて8着に敗れ、続く
クロッカスSも同じ内容で5着。気性面の心配がつきまとったが伸び盛りの3歳。少しずつ大人になっている。藤原師は「まだ成長段階で、前走からも短い期間だったけど精神面の成長は感じていた」と手応えを持って臨んだ。かつて管理した
ミスターメロディは18年
ファルコンSを制し、続くNHKマイルでは4着と健闘。翌年の
高松宮記念でG1初制覇を飾った。
アイルランド産の
母ホームカミングクイーンは12年英1000ギニー覇者で、伯
父ディラントーマスは07年
キングジョージ6世&
クイーンエリザベスS、
凱旋門賞を含むG1を6勝した名馬。半姉シェイルも20年モイグレアスタッドS(アイルランド)でのG1勝ちがある。その血統背景を評価され、22年セレクトセール1歳では2億4200万円(税込み)の値をつけた。伸びしろは十分。指揮官は「賞金を加算できたので
NHKマイルC(5月5日、東京)に向かうかオーナーと相談して決める」とG1舞台を見据える。世界的な超良血ファミリーから新たな重賞ウイナーが誕生した。
◆
ダノンマッキンリー 父
モーリス 母ホームカミングクイーン(母の父ホーリーローマン
エンペラー)21年4月7日生まれ 牡3歳 栗東・藤原厩舎所属 馬主・ダ
ノックス 生産者・北海道安平町のノーザン
ファーム 戦績5戦3勝(重賞初制覇) 総獲得賞金6168万4000円 馬名は冠名+アメリカの山の名。
スポニチ