重賞6勝を誇り、希代の個性派としてファンから愛された
メイケイエール(牝6歳、栗東・武英)の引退式が24日、最終レース終了後のウイナーズサークルで行われた。
雨が降りしきるなか、最後の瞬間を一目見ようと大勢のファンが集まった。吉田助手、日比野助手に引かれながら、引退式用の特別な馬服を身にまとって登場。多くのファンから「ありがとう!」「お疲れさま!」「これからも頑張って!」とエールが飛んだ。
ラストランとなった
高松宮記念は9着。管理した武英師は「終わったな、という感じです。4年間でしたが、本当に一瞬でした」と、これまでの思い出を回顧。「きょうもこういう馬場で走りにくそうにしていて、怒っているのかなという感じ。大変なことばかりでしたが、よく頑張ってくれました。これほど難しい馬はそうそういないです。スタッフと、牧場関係者様と試行錯誤しながらでした。全てが思い出です」としみじみと振り返った。
主戦を務めた池添も別れを惜しむ。「(思い出を)一つに限って挙げられませんが、普段、僕が乗るのは追い切りだけだったので、大変だったのは助手さんだったと思います。常に調教にしても競馬にしても、緊張感がありました」とコメント。「安心してレースに臨めることはなかったかな。調教でうまくいったからレースでも大丈夫というわけでもなく、初めてといってもいい(タイプの)子でした。いい経験をさせてもらいました」と、一筋縄ではいかなかった日々に感謝した。
担当の吉田助手はベストターンドアウト賞を受賞し、「最後にエールと一緒にこの賞をいただけたのは本当に良かったと思います」と話した。「最近はずっと『引退レースですが寂しくないですか?』と聞かれることが多かったですが、実感が湧かなくてと答えていました。きょうの準備の時もそんな感じがしていましたが、でも、今こうやって式をさせていただいて、ああ、終わったんだなと寂しくなります。北海道で繁殖生活を送りますが、機会があれば会いに行きたいです。それまで忘れないでほしいな。今までありがとう」と涙ぐんだ。
今後は北海道のノーザン
ファームで繁殖入りする。G1未勝利馬ながら引退式が行われるのは異例だが、多くのファンに愛された証拠。
メイケイエールの姿が見えなくなるまで、ファンの声援はやまなかった。
提供:デイリースポーツ