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大阪杯追い切り(27日・栗東トレセン)
G1を前によく「勝負仕上げ」という言葉が使われる。しかし、成功ばかりとは限らない。
プラダリアにとって、2走前の
有馬記念がまさにこのパターンだった。
レース当週にムルザバエフが騎乗し、負荷のかかりやすい栗東・CWコースでしっかりと追った。時計は自己ベストに0秒4に迫る6ハロン80秒3。しかし、その後から気が乗り、イレ込んだ。馬体も想定より減った状態で出走。14着とまさかの惨敗だった。
今回の最終追い切りは池添調教師の騎乗で坂路を単走。馬任せのような形で時計は53秒2―12秒4と目立たない。しかし、池添調教師は言う。「馬場が重いと思ったので、(目標の)時計は設定せず、
バランスを崩さないように気をつけて乗りました」。言葉通り、真っすぐにぶれることなく、軽快に駆け上がった。
当週はソフトに無理をさせず―。実は前走の
京都記念もこのパターンで仕上げ、実際に復活Vという最高の結果を得ている。「普段のキャンターは、前走よりもう一つ上にいっているんじゃないかなと思います」。手綱越しに感じ取る、さらなる進化。あとは主戦の兄・謙一にレースの勝利を託すだけだ。「2人の夢でもありますし、それが実現できれば最高ですね」。夢を現実へ変えるため、万全の態勢が整った。(山本 武志)
スポーツ報知