阪神競馬場で7日(日)に行われる
桜花賞(3歳牝・GI・芝1600m)を皮切りにいよいよ24年のクラシックレースが開幕する。ところで皆さんは「クラシック登録」という言葉を聞いたことがあるだろうか。聞いたことはあっても、その制度について完璧に説明できる人は少ないはずだ。そこで今回は3歳馬5大特別競走の登録、いわゆる「クラシック登録」について解説したい。
皐月賞、
日本ダービー、
菊花賞、
桜花賞、
オークスの5大クラシックレースは通常、出走までに3回の特別登録が必要となる。現3歳の場合、第1回特別登録は23年10月27日の正午、第2回特別登録は24年1月26日の正午に締め切られた。第3回の最終登録は各レースの2週間前の日曜。登録料は第1回が1万円、第2回が3万円、最終登録が36万円で、合計は40万円となっている。ちなみに特別登録料は総額の7割が1着馬、2割が2着馬、1割が3着馬に付加賞として交付される。
実はクラシック登録は物議を醸したことがある。88年、地方出身の
オグリキャップが3歳(旧4歳)春に中央に移籍して重賞を連勝。しかしながらクラシック登録をしていなかったため、
皐月賞と
日本ダービーに出走できなかったのだ。こういったケースをなくすために92年に導入されたのが追加登録制度。最終登録の時に200万円を支払うことで、第1回から登録している馬と同じように出走可能となった。
これまでに6頭が追加登録を経て、クラシックウイナーとなっている。古い方から順に99年
皐月賞の
テイエムオペラオー、02年
桜花賞の
アローキャリー、02年
菊花賞の
ヒシミラクル、13年
オークスの
メイショウマンボ、14年
菊花賞の
トーホウジャッカル、15年
菊花賞の
キタサンブラック。あの
キタサンブラックがクラシック登録をしていなかったのは意外というほかない。
今週末の
桜花賞には
フィリーズレビューを制した
エトヴプレ、翌週の
皐月賞には
きさらぎ賞を制した
ビザンチンドリームの2頭が追加登録での出走を予定している。とりわけ
エトヴプレに関しては前走で
桜花賞の優先出走権を獲得したが、あくまで優先出走権。例外なく追加登録料を支払っての出走となる。クラシック登録にはそれぞれの馬に対する陣営の評価、成長度、距離適性などの
ジャッジが反映されるため、この2頭は当時の評価以上の成長を遂げているといえる。そんな無限の可能性を秘めた2頭に注目してみるのもクラシックの楽しみ方の一つだ。