◆第28回ドバイ・ワールドC・G1(3月30日、メイダン競馬場・ダート2000メートル)
ドバイワールドカップデーがメイダン競馬場で開催され、メインのドバイ・ワールドC・G1に出走した前年覇者の
ウシュバテソーロは2着。史上2頭目の連覇は逃したが、日本馬の総獲得賞金で歴代1位に立った。
完敗。日本馬初のドバイ・ワールドC連覇を狙った
ウシュバテソーロは2着で“防衛”はならなかった。道中はいつも通り後方から。外を回って直線に向き、周囲に他馬はいない。あとは追いまくるだけ。しかし、先頭は10馬身以上も前を悠々と駆けていた。全ての力を振り絞っても、全く届かなかった。地元の
ローレルリバーによる8馬身半差の圧逃劇。川田は「はるか先に勝ち馬がいました」と振り返るしかなかった。
ローレルリバーは1400、1600メートルで重賞を2勝しており、2000メートルは初挑戦だった。前走でドバイG3のブルジュナハールを完勝しているとはいえ、伏兵の立場。川田は「2000メートルでもあれだけしっかり走られてしまっては、どの馬にもノーチャンスだったと思います」と脱帽した。
それでもこの2着で、賞金240万ドル(約3億3936万円)を獲得。昨年現役を引退した
イクイノックス(22億1544万6100円)を超え、
JRA所属馬の獲得賞金歴代1位に上り詰めた。「後から付いてくるものですが、光栄ですね」と高木調教師。サウジC(2着)のゴール寸前でかわされた
セニョールバスカドールを差し返したことについても「そこは偉かったです」と愛馬の勝負根性をたたえた。
指揮官は、秋はブ
リーダーズCクラシック(11月2日、米国・
デルマー競馬場)を目標にすると明言。昨年5着に敗れた頂上決戦に、再び挑む。今年と同じ
デルマー競馬場で開催された21年に、
ラヴズオンリーユーでフィリー&メアターフを制している川田は「調教もこの馬に合うコース形態だと思っています」と期待を込めた。世界一奪還に向け、まだまだ旅は続く。(水納 愛美)
スポーツ報知