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武豊騎手を超える史上最多の皐月賞4勝 M.デムーロ騎手と栄冠を手にした名馬たち

  • 2024年04月10日(水) 07時00分
 皐月賞と言えば、やはりこの男。武豊の3勝を超える、歴代最多の4勝を挙げるM.デムーロ騎手である。ローマ出身ながら、陽気な性格で「イタリア系関西人」の異名をとったトップジョッキー。ネオユニヴァースドゥラメンテなど、騎手人生を彩ってきた名馬と勝ち取った4回のレースを振り返りたい。

 初勝利は短期免許時代の03年のネオユニヴァースだった。中団から馬群を捌いて伸びると、食い下がるサクラプレジデントをアタマ差凌いで先頭でゴール。その直後、馬上からサクラの鞍上・田中勝春騎手の頭をポカンと叩いたシーンは語り草。当時24歳、これがJRAのGI初制覇でもあった。

 翌04年には10番人気のダイワメジャーを駆って、番手から堂々の押し切り。地方の雄・コスモバルクの夢を打ち砕いたレースとして記憶しているファンも多いだろう。これで初参戦だった02年のタイガーカフェ(2着)から3戦2勝、2着1回。一気に「デムーロ=皐月賞」のイメージが定着し始める。06年から11年まで参戦が途絶えたが、13年にロゴタイプで3勝目をマーク。

 そしてJRAの通年免許を獲得した15年にドゥラメンテで4勝目を手にした。このレースは後方からとなった上、4角で大きく外に膨らむロスがあったが、直線で強烈な末脚を発揮しての差し切り。デムーロ騎手が開催4日間の騎乗停止処分を受けたように、決して手放しで喜べる内容ではなかったが、実にインパクトのあるレースだった。その後は勝利から遠ざかっているが、昨年は12番人気のショウナンバシットで見せ場たっぷりの5着。依然として「皐月男」らしさは健在だ。

 今年はサンライズアース(牡3、栗東・石坂公一厩舎)で参戦する。昨年10月の新馬(京都芝2000m)は逃げ切り。その後、年末のホープフルSは出走取消となったが、立て直して2月のすみれSへ。デビュー戦とは一転、後方からの競馬となったが、3角手前から捲って先頭へ。そのまま危なげなく押し切って、堂々のデビュー2連勝を決めた。レースぶりはまだまだ粗削りだが、それだけに伸びシロは大きく、デムーロ騎手が3戦連続で手綱をとれるのも大きい。今回は大幅な相手強化となるが、楽しみなチャレンジといえる。

 デムーロ騎手にとっては、21年の阪神JFのサークルオブライフ以来となるJRA・GI制覇、そして自身が持つ最多勝記録を更新する皐月賞5勝目がかかる一戦。9年ぶりとなる戴冠で「皐月男」の面目躍如といきたい。

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