G1・2勝を含む
JRA通算965勝を挙げているベテラン勝浦正樹(45)が6日、来週末の騎乗をもって現役引退することを発表した。「騎乗依頼が保証されていない世界で常に危機感を持っていた。本格的に引退を考えたのは昨夏。依頼が少なくなる中で年末には“仕方ないかな”と考えるようになった」と決断に至る経緯を説明。今年は滞在出張となる冬の小倉開催を勤め上げ、地元でデビューの地でもある中山をラス
トライドの舞台に選んだ。「こういう日が来るのがちょっと早かったかなという思いと、ダラダラ続けてしまったかな、とどちらの思いもある。勝った時のあの喜びはもう味わえないけど、もう迷惑をかけなくて済む」と苦笑いを浮かべながら28年間を振り返った。
今後については調教師や助手へは転身せず、競馬の現場は離れる予定。「まだ具体的な話はゼロだけど、競馬を見る立場で何かやっていければ」。囲み取材中、関係者が代わる代わるねぎらいに訪れると「泣いちゃうから来ないで」と感慨深げな表情も見せた45歳。「馬がつないでくれた縁に感謝しかない。来週も依頼を頂いているので最後まで頑張りたい」と意気込んだ。
◇勝浦 正樹(かつうら・まさき)1978年(昭53)8月10日生まれ、千葉県出身の45歳。97年に美浦・久恒久夫厩舎所属で騎手デビュー。同期に
武幸四郎、
秋山真一郎、
村田一誠(いずれも現調教師)、先月引退した武士沢友治らがいる。3年目の
共同通信杯4歳S(
ヤマニンアクロ)で重賞初勝利。02年
NHKマイルC(
テレグノシス)でG1初制覇を果たした。
JRA通算1万5654戦965勝(うち重賞17勝、6日現在)。1メートル61、50キロ。A型。
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