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中山グランドJ・JG1」(13日、中山)
必死にステッキを振るった。そしてゴール前、勝利を確信した黒岩は「康太!康太、勝ったぞ!」と天国の盟友へ届けとばかりに雄たけびを上げながら、歓喜のゴールを駆け抜けた。昨年の覇者
イロゴトシが見事な復活劇で史上4頭目の連覇を達成。「うれしい。僕のことよりも、
イロゴトシが強いんだというのを見せられたことが、うれしいです」。殊勲の鞍上は誇らしげに胸を張った。
昨年は戴冠後に下降線をたどった。秋初戦、
東京ハイJに出走するも見せ場すらつくれず6着。牧田師は「夏負けから戻し切れなかった」と振り返り、「去年は勝ってから、順調に来られたわけではなかった」とは黒岩。暮れの
中山大障害は断念せざるを得なかった。
その間に一気に台頭したのが
マイネルグロン。連戦連勝で完全に王座を奪われてしまった。ラ
イバルの1・1倍に対し、こちらは2番人気でも10倍超え。オッズ板を前にした指揮官は「次は1倍台やで」と黒岩にハッパを掛けて送り出したという。「体調さえ戻れば、これくらいはね。平地を使ってグッと良くなった。黒岩もうまいこと乗ってくれたと思います」と人馬の奮闘をたたえた。
昨年の経験を踏まえ、今年の夏はしっかりと休養。万全の態勢で暮れの大一番へと突き進み、完全決着をつける算段だ。もう、王者の椅子は誰にも渡さない。
提供:デイリースポーツ