◆第55回読売
マイラーズC・G2(4月21日、京都競馬場・芝1600メートル)
新たな一歩を踏み出す。ルーキーの
吉村誠之助騎手(18)=栗東・清水久厩舎=が、第55回読売
マイラーズC・G2(21日、京都=1着馬に
安田記念優先出走権)で重賞に初騎乗する。「うれしいです。(重賞は)普通の平場やリステッドと、雰囲気が全然違います」。デビュー2週目の報知杯
フィリーズレビューで騎乗予定だった
シュシュトディエスが歩様の乱れで回避しており、再度つかんだチャンスに胸を躍らせる。
コンビを組む
ボルザコフスキーは、前走の
六甲Sで自身の初勝利をともにつかんだ相棒だ。デビュー1勝目が、減量特典のないリステッドという快挙。「メイン(レース)でしたが、1勝は1勝。初勝利した馬に継続して乗せていただけるのはうれしい」と、おごりはなくとも、喜びは大きい。
父・智洋は、地方通算3384勝を挙げる兵庫の名手。「勝っても負けても怒られます。『もっとこうすれば楽に勝てた』『その乗り方は、違う馬なら勝てない』とか…」と、プロ意識をたたき込まれている。
父は息子の初V後、Xで「とりあえず毎週参観日行かなくてよくなりました」と現地応援の“終了”を示唆した。しかし吉村は6日の阪神で、父を発見。「パドックで、何げなくお客さんの方を見たら(父が)いて…。知らなかったです」。厳しくも、愛情たっぷりに見守られている。
ここまで地方でのエキストラ騎乗を含め9勝と順調だが、「自信は少しずつついてきていますが、乗れば乗るだけ課題が出てきます」と反省の日々。それでも、パートナーには「馬のことさえ優先できれば、能力的には勝ち負けできると思います」と信頼を寄せる。「頑張ります!」と瞳を輝かせた吉村。フレッシュな気持ちを武器に、抜てきに応える。(水納 愛美)
◆今年の新人の重賞騎乗 3月デビューの8人のうち、
高杉吏麒騎手(18)=栗東・藤岡厩舎=が同10日の
金鯱賞・G2で自厩舎の
ワイドエンペラーに騎乗し、6着だった。
◆吉村 誠之助(よしむら・せいのすけ)2006年1月4日、兵庫県生まれ。18歳。24年3月に栗東・清水久厩舎からデビュー。同月24日の阪神11Rで
ボルザコフスキーに騎乗し、初勝利を挙げた。
JRAでは通算2勝、地方ではエキストラ騎乗を含め7勝。身長162・7センチ、体重48キロ。同期は栗東の柴田裕、高杉、橋木に、美浦の石神道、大江原比、坂口、長浜。
スポーツ報知