12日、東京競馬場2Rの3歳未勝利(ダ1600m)で
ウェットシーズン(牡3、美浦・
田中博康厩舎)が1着となり、騎乗した
武豊騎手はデビューから37年2カ月12日で
JRA通算4500勝に到達した。
武豊騎手は1987年3月7日の阪神競馬3Rで
ダイナビショップに騎乗して白星を飾り、大記録への第一歩を踏み出した。同年の世の中を振り返れば、バブル景気が少しずつ始まったころで、日本国有鉄道の分割民営化によってJR各社が誕生。スポーツではプロ野球の聖地といわれた後楽園球場が閉場したほか、西武
ライオンズが2年連続7回目の日本一に輝いている。
競馬界では牡牝ともに二冠馬が生まれた。
皐月賞を制した
サクラスターオーは繋靭帯炎を発症して
日本ダービーは回避したが、
菊花賞にぶっつけ本番で出走。仕上がり面などが不安視され9番人気に甘んじたが、「菊の季節に桜が満開」の名フレーズを
バックに制した。牝馬では
マックスビューティが、
紅梅Sから
ローズSまで破竹の8連勝。
エリザベス女王杯は惜しくも2着だったが、
桜花賞を8馬身差、
オークスを2馬身半差で圧勝して、ファンにインパクトを与えた。
古馬では
ニッポーテイオーが
天皇賞(秋)と
マイルCSを制したほか、
ミホシンザンや
フレッシュボイス、
メジロデュレンなどがGIで活躍。また、
サクラチヨノオー、
サッカーボーイがそれぞれ東西で2歳GIを勝っている。
武豊騎手はというと、デビュー年から69勝を挙げて、加賀武見元騎手が保持していた新人最多勝利記録(当時)を更新したほか、
京都大賞典で早くも重賞初制覇を決めた。1年目からファンや関係者に強烈な印象を残した
武豊騎手は、3年目には関西リーディング、4年目には全国リーディングを獲得。以降、日本競馬の「至宝」として競馬界のみならず、スポーツ界に強い影響を与えてきた。
今年の3月で55歳を迎え大ベテランの域に入っているが、ここまで34勝を挙げて全国リーディング9位に付けており、勢いはとどまるところを知らない。このままのペースでいけば、数年後には5000勝の大台到達も夢ではないはず。1年でも長く現役を続け、さらなる伝説を残して欲しい。