「NHKマイルC・G1」(5月5日、東京)
昨年6月に行われたハイレベルの新馬戦を制した
ボンドガールが、ようやく訪れたG1出走機会で奮起する。阪神JFを直前の放馬による外傷で回避し、
桜花賞は3分の2の抽選に漏れて除外と、ここまでG1に縁がなかったが、前走の
ニュージーランドT2着で優先出走権を得て大舞台の切符を手にした。休養明けの前走を使って状態は上向きで、火曜は美浦坂路で軽快な脚さばきを披露。大一番に向けてムードは高まっている。
厩舎期待の素質馬がG1の舞台に立つ。
ニュージーランドT2着で優先出走権を獲得した
ボンドガールは、世間で“伝説の新馬戦”とささやかれている一戦を制した逸材。阪神JFと
桜花賞の出走は実現しなかったが、世代のマイル王を決める一戦でゲートインを果たす。手塚師は「最後の最後でG1に出られてよかったです」とうなずく。
ここまでの道のりは平たんではなかった。新馬戦を制し、続くサウジアラビアRCで2着。その後は阪神JFに向けて調整していたが、レース5日前の火曜に放馬して筋肉を損傷するアク
シデントに見舞われた。その症状は当初の見立てよりも重く、生死に関わるほど。師は「診療所のおかげです」と当時を振り返る。結果、復帰までに半年を要し、
桜花賞は不運にも賞金順の抽選で除外に。そこで向かったのが
ニュージーランドTだ。
その前走も半信半疑の出馬だったが、力は示した。「ベストではなかったけど、合格点の内容でした。ハンデがあっても頑張れましたから」と評価。外傷による休み明けという不安材料があった中でも、好位からしぶとい末脚を発揮した。
心強いのは、そこでコンビを組んだ
武豊が今回も手綱を取ることだ。「それは一番よかったですね」と前を向いた手塚師。名手も素質の高さを買っている。
今年はG1馬2頭を含む重賞ウイナー9頭が顔をそろえるハイレベルな一戦。師は「G1馬が2頭いるけど、この馬も上積みはありますよ。
桜花賞を勝ちたいと思っていた馬だし、頑張れると思います」と力を込める。紆余(うよ)曲折を経てたどり着いたG1のステージに全力で挑み、これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らす。
提供:デイリースポーツ