「NHKマイルC・G1」(5日、東京)
牡・牝の2歳チャンピオンが激突する3歳マイル王決定戦。美浦では
桜花賞で2着に敗れた
アスコリピチェーノがWで併せ馬を行い、軽快かつ力強い走りを披露した。鞍上に落馬負傷から復帰するルメールを迎え、2つ目のG1タイトル奪取へ突き進む。一方、栗東では
皐月賞3着の
ジャンタルマンタルが坂路で最終リハ。軽めの内容ながら好ムードを漂わせた。
本気度がうかがえる最終リハだった。
桜花賞2着馬
アスコリピチェーノは1日、美浦Wで
シアブリス(3歳未勝利)と併せ馬。6Fから2馬身後方を追走。終始楽な感じだったが、スムーズに加速するとラストは鋭く伸びた。6F82秒2-36秒9-11秒1のタイムで併入フィニッシュ。1週前に同6F79秒4の好時計を記録したにもかかわらず、攻めの姿勢を貫いた。
牝馬で中3週の競馬となると不安要素が見え隠れするもの。しかし、ハードな調教をこなせるほど状態がいい。黒岩師は「
桜花賞後で慎重にというよりは、ここに向かうための1週前追い切りとして、しっかりやることがテーマだった。動きはすごく良かったです」と先週の内容を説明しつつ、「きょうの追い切りもそこまでやる必要がないなか、併せ馬でいい動きでした」と目を細める。
前走の
桜花賞は3/4馬身差2着。デビューから初めて土が付いた。指揮官は「
桜花賞を目標にやってきたので。力強い走りはできたけど、結果が良くなかったのはすごく悔しい」と振り返る。それだけに次戦には、適性などを踏まえて
オークスではなく、勝利の可能性が高いNHKマイルCを選択した。「2400メートルは挑戦する部分が多い。マイルを上手に走れる馬だし、結果の出ているところで」。舞台設定は申し分ない。
相棒ルメールの存在も心強い限りだ。
ドバイターフでの落馬負傷で戦線離脱。復帰時期が定まっていなかったが、5日東京での実戦復帰が決まり、新馬戦以来のコンビ復活となる。トレーナーは「ルメールさんに乗ってもらうにしても、馬の状態が整ってこそだと思っている。ここまで状態を整えることはできたし、力を出し切ってくれれば強い走りを見せられると思っています」と期待を込める。戴冠に向けて、狂いはなし。2歳女王が世代のマイル王の座をつかみにいく。
<調教診断>
桜花賞から中3週。ナーバスな面が出やすい牝馬にとって、難しい調整を強いられるところだが、
アスコリピチェーノは1週前に美浦Wで6F79秒4-36秒9-11秒1とハードな追い切りを消化した。今週の追い切りでどこまで攻めるかに注目していたが、併せ馬でしっかり追って態勢を整えた。これだけの調教ができるのは、状態がいい証しだ。
提供:デイリースポーツ