12日、東京競馬場2Rの3歳未勝利(ダ1600m)にて
武豊騎手が騎乗する
ウェットシーズンが1着となり、同騎手は前人未到の
JRA通算4500勝を達成した。
武豊騎手は1969年生まれ。87年3月にデビューを迎え、同月7日に
ダイナビショップで初白星を挙げた。秋には
トウカイローマンに騎乗して
京都大賞典で重賞初制覇。翌年には
スーパークリークで挑んだ
菊花賞で初GIタイトルを獲得し、以降も数多くの名馬とともに
JRA・GIで81勝を飾っている。
10代〜20代半ばにかけては先に挙げた
スーパークリークを含め、“平成3強”と呼ばれた
イナリワン、
オグリキャップのほか、
メジロマックイーンや
ベガで競馬界を盛り上げた。そんななか、94年にはムーランドロンシャン賞(仏G1)を
スキーパラダイスで勝ち、日本人騎手として初めて海外G1を制覇した。
98年には
スペシャルウィークに騎乗して、通算10度目のチャレンジでダービージョッキーの称号を獲得。8月には
シーキングザパールが日本調教馬初となる海外G1勝ちを決めたが、その背中にはやはり
武豊騎手。「
武豊」の名は国内のみならず、徐々に世界へと広まっていく。さらに、同年の終了時点で8年連続かつ、通算10度目のリーディングジョッキーを獲得しており、20代にして1500勝を超えた。
30代に入ると
武豊騎手の勝利数はさらに伸び、「夢」「不可能」ともいわれた年間200勝超えを達成。そして翌年、
武豊騎手は自身だけでなく、日本競馬の歴史を変える一頭と出合う。
ディープインパクトである。同馬とは史上2頭目の無敗クラシック三冠を達成したほか、春秋
グランプリなどGIを7勝。「
武豊×ディープ」はスポーツ紙のみならず、一般の新聞、雑誌、テレビでも連日取り上げられ、社会現象を巻き起こした。通算勝利数も2000を軽々と超えていき、岡部幸雄元騎手が持っていた歴代1位の「2943」でさえ上回った。
40代では怪我の影響もあり、一時は勝利数を減らしたものの、2013年の
日本ダービーを
キズナで制して復活宣言。16年の産経
大阪杯から手綱を執った
キタサンブラックではGI・6勝を挙げたほか、19年には
地方競馬の全JpnI制覇(※当時)という偉業を達成。50代に入った近年でも輝き続け、22年には
ドウデュースで
日本ダービー6勝目を挙げるなど、勢いはとどまるところを知らない。
本稿では紹介しきれないほど、数多くの名馬に騎乗して、これまでに積み上げてきた勝利数は「4500」。ファンひとり一人に思い出のタッグ、思い出の勝利があるのではないか。
武豊騎手は今後、どんな名馬と巡り合い、ファンに驚きや感動を与えてくれるだろうか。次の1勝、そして新たな馬との出合いを求めて、レジェンドの挑戦は続いていく。