「
ケンタッキーダービー・米G1」(4日、
チャーチルダウンズ)
歴史的快挙はならなかった。米国のクラシック3冠初戦で、今年で150回を誇る伝統のレースに臨んだ
フォーエバーヤングは後方から直線で追い込み、あと一歩届かなかったが、日本馬歴代最高の3着に入った。これまでの最高は6着(19年
マスターフェンサー、23年
デルマソトガケ)。
テーオーパスワードも5着と健闘した。
米国のラ
イバル2頭に挟まれながら、並んでゴールを駆け抜けた。「スポーツの中でもっとも偉大な2分間」と称される最高峰の舞台に挑んだ
フォーエバーヤングは、鼻+鼻差の3着惜敗。世界の壁は厚かった。
矢作師は数秒間の沈黙後、「ただひと言、悔しいです」と言葉を絞り出した。そして「馬は素晴らしかったです。すごく頑張ってくれました。日本の馬にとって全く慣れない環境の中で、これだけ走れる彼には本当に頭が下がります。ただ、あそこまで行ったので勝ちたかった」と唇をかんだ。
スタートは伸び上がるような形でやや出遅れると、道中は中団後方を追走。勝負どころから外へ進路を取って少しずつポジションを上げ、直線は外の
シエラレオーネと馬体がぶつかりながら必死に脚を伸ばしたが、わずかに届かなかった。
大善戦の結果にも、初めて
ケンタッキーダービーに騎乗した坂井の表情に笑顔はない。「悔しいのひと言です。追い切りの感じより競馬場に来てすごく良かったですし、とてもいい状態だったと思います。あそこまで行けたなら勝ちたかったです」と肩を落とした。
それでも、日本調教馬としてこれまでの最高着順(6着)を更新。指揮官は「この経験は今後に生かさなければなりませんし、間違いなく生きてくると思います。世界一の馬になれるように一緒に歩んでいきたいですね」と必死に前を向いた。
提供:デイリースポーツ