日本ダービーウィークの5月24日から「ウマ娘」の劇場版が公開される。主役となるのは01年の
日本ダービー馬
ジャングルポケット。クラシックを前に無念の引退となった「幻の3冠馬」
フジキセキと同じチームということもあって注目された名馬だ。ここでは陣営の悲願を叶えたレースをもう一度思い起こしたい。
ジャングルポケットを語る上で、
フジキセキは外せない存在だ。通算成績は4戦4勝。
サンデーサイレンス産駒の初年度産駒で、無傷の3連勝で94年の朝日杯3歳Sを制覇。年明け初戦の
弥生賞も快勝し、クラシックの断然の主役と目されたが、
皐月賞を前に左前脚屈腱炎を発症。異例となる3歳春でのスタッドインとなった。
その6年後、
フジキセキと同じく齊藤四方司オーナーの所有馬として、渡辺栄厩舎に預けられ、星野幸男厩務員が担当したのが
ジャングルポケットだった。北海道でのデビュー2戦は
千田輝彦騎手が騎乗したが、3戦目からは所属の
角田晃一騎手とタッグを組む。馬主、調教師、騎手。
フジキセキと全く同じチームで、クラシックに挑むこととなった。
皐月賞は
アグネスタキオンの3着に終わったが、ラ
イバルは
日本ダービーを前に左前浅屈腱炎で戦線離脱。大目標としていた競馬の祭典では1番人気に推された。
レースは圧巻だった。決して有利とはいえない大外18番枠からのスタートだったが、角田騎手は慌てることなく中団後ろに待機。勝負所は馬群の中で脚をためて、直線に向いてから外へ。2番人気の
クロフネをあっさりとかわして先頭に立つと、外から迫る
ダンツフレームも退け、悠々と先頭でフィニッシュ。
フジキセキの無念を晴らす、チーム一丸での
日本ダービー制覇を決めた。
アグネスタキオン、
クロフネ、
ダンツフレームといったラ
イバルたちと切磋琢磨し、世代の頂点へとなった
ジャングルポケット。さらに11月には内国産3歳馬として初めて
ジャパンカップを制覇。東京で無類の強さを発揮したその走りは今もファンの目に焼き付いている。