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【思い出の日本ダービー】「僕は帰ってきました!」武豊騎手の復活の象徴 キズナとの親子制覇

  • 2024年05月15日(水) 07時30分
 「レジェンド」武豊騎手にも苦しんだ時期があった。不運な事故が起きたのは10年3月の毎日杯だった。騎乗していたザタイキが故障を発症して転倒。武豊騎手はコースに叩きつけられるように落馬したのだ。左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折、右前腕裂創の重傷。同年8月までの休養を強いられ、復帰後も以前のような輝きを取り戻すことはできなかった。10年は9年ぶりに100勝を下回る69勝。11年は自己ワーストの64勝。12年はさらに下降線を辿り、56勝に終わった。

 そんな状況下で出合ったのがキズナだった。デビュー2戦で騎乗していた佐藤哲三騎手がケガをしたため、3戦目のラジオNIKKEI杯2歳Sからタッグ。このレースは3着、年明け初戦の弥生賞は5着に終わったが、「因縁」の毎日杯を圧勝して軌道に乗った。皐月賞を見送り、前哨戦に選んだ京都新聞杯も快勝。勢いに乗って日本ダービーに向かった。

 単勝2.9倍の1番人気で迎えた一戦。最内枠から五分のスタートを決めたが、武豊騎手はいつものように後方からの競馬を選択した。勝負どころでも先頭とは15馬身ほどの差があったが、全く慌てることはない。直線に向いて徐々に外目に進路を取る。前が壁になりそうな場面もあったが、タマモベストプレイマイネルホウオウの間に進路を見つけると、エンジン全開。一完歩ごとに前との差を詰めると、先に抜け出したエピファネイアをゴール寸前で捕らえてフィニッシュ。武豊騎手は05年にキズナの父であるディープインパクトで制して以来、8年ぶりとなる日本ダービー5勝目を成し遂げた。インタビューでは「僕は帰ってきました!」と完全復活をアピール。14万人の大観衆から祝福された。

 あれから10年、今年の日本ダービー武豊騎手はタッグを組んでGI7勝を挙げたキタサンブラックの半弟シュガークンで挑む。一方、父となったキズナ皐月賞馬のジャスティンミラノスプリングSなど3戦3勝のシックスペンス、父と同じく京都新聞杯を制したジューンテイクなど、多くの有力馬を送り込む。ライバルとなった「両者」の戦いに注目したい。

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