「
ヴィクトリアマイル・G1」(12日、東京)
強い風が吹く府中の杜で、大波乱の嵐が巻き起こった。立役者はブービー14番人気の
テンハッピーローズ。中団からレースを運ぶと直線で豪快に突き抜け、重賞初勝利をG1で飾った。勝利に導いた津村も騎手生活21年目で悲願のG1初勝利。2着には4番人気の
フィアスプライド、3着には1番人気の
マスクトディーヴァが入った。2番人気の
ナミュールは8着に終わった。
◇ ◇
レース前の見立てでは、内から
フィアスプライド、
コンクシェル、
マスクトディーヴァ、
ナミュール、あとは川田君の
ウンブライル。このあたりの競馬かなと思っていたんですが、勝った
テンハッピーローズが目立ったレースでした。中団後ろでもまれずに運んで、1頭だけ外から伸びてきて、鮮やかでした。津村君はこれが初G1でしょ。おめでとうございます。調教師の時、津村君にはいろいろ馬を頼んでいたので、うれしいですね。
天皇賞・春は菱田君が勝って、
かしわ記念は川須君。いろんなジョッキーにチャンスがあるのはいいことです。みんなで切磋琢磨(せっさたくま)してくれればと思います。僕も初めてG1を勝ったのは遅かったですから。でも、そこから乗り鞍が増えました。こういうチャンスをモノにできれば、どんどんいい流れになります。日々、努力してほしいですね。
2着のルメールは完璧なレースでした。3番手から伸びましたが勝ち馬が強かった。一方で残念だったのが3着の
マスクトディーヴァ。6番手でいい競馬をしていたのに、だんだん後ろに下がっていきました。直線は出られるところがなくなり、スムーズだったらもう少し変わった結果になっていたのかな。
ナミュールも精彩を欠きました。発馬が悪くても力がある馬なので、東京の長い直線ならいいところがあるかなと思いましたが。牝馬は難しいですね。(元JRA調教師)
提供:デイリースポーツ