地元勢が
JRA勢を圧倒している
エーデルワイス賞の傾向からも分かるように、ホッカイドウ競馬の2歳牝馬は全国でも群を抜いてハイレベルだ。ただ、明け3歳になったその馬たちは、地元に残留したところで目標となるレースが少なかった。その空白を埋める形で今年は3歳牝馬の重賞が2つ設置されたわけだが、3歳限定戦に生まれ変わった
北海道スプリントCにもつながる短距離カテゴリーに新設されたのが、この
フロイラインス
プリントである。
筆者は、
ステップレースにあたる
ネクストスター北日本で6着だった
ヨシノヒローインの変わり身を重く見た。出走馬のほとんどがオフシーズンの休養明けだったのだが、この馬は昨年8月のフルールCを最後に骨折休養に入ったため、他の馬よりかなりブランクが長かった。そのフルールCでマークした良馬場での1分13秒6というタイムは、他馬より抜きん出て速い。
ネクストスター北日本の敗因を長欠明けによるガス欠と見れば、巻き返しが濃厚だろう。困難を乗り越えた
ヒロインの復権に懸けたい。
2歳時の戦績に着目するなら、
ライトヴェールと
コモリリーガルは外せない。前者は非凡なダッシュ力を武器に、
エーデルワイス賞で4着に逃げ粘った。順調さを欠いて夏場に休養を挟んだことを考えれば、着順以上の評価ができる内容だ。後者は
園田プリンセスC、盛岡の
プリンセスCと重賞を2勝している紛うことなき
プリンセス。冬場の大井、姫路で大敗したが、地元復帰戦の前走を勝利し、うまく軌道修正できたようだ。
名前を挙げた3頭に
イイデスカイハイなどを加えた逃げ先行勢は、いずれもハイペースを厭わないタイプで、消耗戦を誘発する可能性もある。そうなると、本質が中距離タイプの
ヴィヴィアンエイトにとっては願ってもない好機だ。2着だった
ネクストスター北日本と同様、ゴール前で一気に先行勢に襲いかかるシーンは十分に考えられる。もっと縺れれば、追い込み一手の
レディパイロまで届くかも。実績のある快速馬を評価しつつ、展開から狙える差し追い込み馬を忘れずカバーしておきたい。
(文:競馬ブック・板垣祐介)