◆第85回
オークス・G1(5月19日、東京競馬場・芝2400メートル)
牝馬クラシック第2戦、第85回
オークス・G1(19日、東京)は別路線組が侮れない。
忘れな草賞を勝った
タガノエルピーダは、牡馬相手の
朝日杯FSで3着に好走した実力馬だ。
秘める能力の高さを樫の舞台で証明する。
タガノエルピーダが、まばゆいほどの輝きを放つ時が来た。
忘れな草賞を制して迎える初の牝馬限定G1。「前走もいい勝ち方でしたし、長い距離も大丈夫だと思います」と斉藤崇調教師は期待を寄せた。
デビュー時から素質の片りんは見せていた。阪神JFを抽選除外になり、矛先を向けた
朝日杯FS3着。G1・2勝の
ジャンタルマンタルと0秒2差の接戦に持ち込んだ。今年初戦の
チューリップ賞こそ大外枠にも泣き4着で、
桜花賞出走はかなわなかったが、同日の前走を快勝し駒を進めてきた。
担当する和田助手は
宝塚記念、
有馬記念での
グランプリ3連覇を含むG1・4勝をマークした
クロノジェネシスを担当していた腕利き。「
クロノジェネシスがすごすぎて、まだ比べるのはかわいそう」と前置きしつつ「同じように長く活躍してもらいたいですね」とその能力を高く評価する。
過去10年で
桜花賞組の7勝に次ぐ、2勝をマークする
忘れな草賞勝ち馬。メンバーすべてが初経験となる3歳牝馬には過酷な東京2400メートルで、2000メートルを経験しているのは、
桜花賞組にはないアドバンテージだ。勝ち時計1分59秒4は、その後、
オークスを制した
ミッキークイーン(2分3秒5)、
ラヴズオンリーユー(2分0秒6)などを大きく上回っており、その価値は高い。「折り合いの心配もないですし、スタートも速い。スッと好位につけて、しまいも脚を使える」と同助手が言うレースセンスが大きな武器になる。
半兄の
タガノディアマンテは
万葉Sを制し、
ステイヤーズS2着。同じく
タガノエスプレッソもジャンプ重賞3勝と、スタミナに富んだ血統背景を持つ。冠名「タガノ」にとって悲願のG1初制覇は、ギリシャ語で希望と名付けられた
エルピーダがかなえる。(戸田 和彦)
スポーツ報知