「デイリー盃・
大井記念」(15日、大井)
勢いは止まらない-。小雨降る中、1番人気の
サヨノネイチヤが破竹の7連勝を達成。逃げ粘る5番人気
バーデンヴァイラーをゴール手前で半馬身かわし、重賞3連勝で初のS1タイトルを手にした。上位2頭には「
帝王賞・Jpn1」(6月26日・大井)への優先出走権が与えられた。2番人気の
セイカメテオポリスは向正面から手応えが怪しくなり、3着に押し上げるのがやっとだった。
一線級相手に背負う同斤量の57キロも、勢いに乗る
サヨノネイチヤにとっては不問だった。
レース直前になって降り出した雨の中、逃げた
バーデンヴァイラー、2番手
ランリョウオーの直後をすんなりとキープ。道中は内々で脚をためると、4角入り口では前を行くのは1頭だけ。最大のラ
イバル・
セイカメテオポリスが後方でもがくのとは正反対に、抜群の手応えで直線へ。「森さんの馬も手応えが良かったけど、ボクのはそれ以上にいい手応え。いい脚を使ってくれました」と
西啓太。ラスト100メートル過ぎで先頭に立つと、しっかりとしたス
トライドでゴール板を駆け抜けた。
デビューから14戦12勝(2着2回)とし、いまだ連対を外していない。5歳にしてS1初制覇。トップホースの仲間入りだ。とはいえ、常に危うさも備えているパートナーに、付きっきりでケイコをつけてきた主戦。前走のブリリアントCではゴール前で左右に寄れるやんちゃぶり。「きょうはまっすぐ走ってくれましたね」と恥ずかしそうにしたが、「S1まで勝ちました。強い馬です」と胸を張った。苦労が結果として表れる。ジョッキー冥利(みょうり)に尽きるものだ。
坂井英師も「
帝王賞を目標としてきたので、今回は目いっぱいの仕上げじゃなかった。その中で、このメンバー相手にどれだけやれるかだったけど期待以上。うれしいですね」と声を弾ませた。最高の流れに乗って次走はいよいよ、JRAの強豪が参戦してくる今春最大の大一番だ。
「強い相手になればなるほど真面目に走る馬。自信を持っていきたい」と主戦が力を込めれば、トレーナーも「厳しい戦いになると思うけど、連勝を伸ばしていきたい」ときっぱり。いったいどこまで強くなるのか。ダート界のニュースターの進路は限りなく良好だ。
提供:デイリースポーツ