「
オークス・G1」(19日、東京)
名誉挽回の一撃だ。2番人気
チェルヴィニアが2冠を狙った
ステレンボッシュをゴール前で差し切り、13着に散った
桜花賞から見事に巻き返した。ルメールは現役単独最多(歴代2位)となる
オークス4勝目で、自身今年初のG1制覇となった。2着は1番人気
ステレンボッシュ、3着には3番人気
ライトバックが入り、
桜花賞組が上位を独占した。
内から抜け出した
桜花賞馬を目がけて、外から豪脚一閃-。1冠目で13着惨敗を喫した
チェルヴィニアが、逆襲の末脚で樫の女王に輝いた。「ただいま!すごくうれしい。きょうは本当の
チェルヴィニアを見せてくれました」。落馬負傷から復帰後初にして、今年のG1初制覇を決めたルメールは、晴れ晴れとした表情を見せた。
桜の悔しさを晴らすべく、コンビ再結成で臨んだ大一番。道中は前2頭が飛ばす流れを中団外めでじっくり待機した。直線は馬群が大きく横に広がっての攻防。鞍上から
ゴーサインを送られると、内から抜けてきた
ステレンボッシュを
ロックオン。ひと追いごとに差を詰め、最後はきっちりとかわし去った。ウイニングランで右手を掲げて喜びを伝えたルメールは「スタミナとパワフルな走り方のコンビネーション。それは、今まで自分が勝った
オークス馬と比べてもトップクラスですね」と相棒を褒めちぎった。
3月30日の
ドバイターフで落馬。鎖骨と肋骨の骨折に加えて、肺に穴が開くという大けがを負い、戦線を離脱した。療養を経て、今月5日に復帰したばかりのヒーローは、インタビューで「ドバイで落ちた時、大きなサポートをしてくれた。大変な時期にずっとそばにいてくれた。きょうは彼女の勝利です。バーバラさん、愛してる!」と愛妻へ感謝の思いを伝えた。翌日(20日)に控えた自身45度目の
バースデーも合わせて、二重の喜びとなった。
木村師も安どの表情を浮かべる。「去年初めて入厩して坂路を上がった時、今まで管理してきたトップホースに匹敵するものを感じた。そこからずっと期待をかけていました」。今後のプランは未定だが、新たに誕生した女王は、着実に名牝への道を歩み始めている。
来週の大一番にもルメール×木村厩舎の
レガレイラがスタンバイ。名手は「ダービーも牝馬で頑張りたい。17年(
ソウルスターリング、
レイデオロ)みたいにダブルで勝ちたいね」と鼻息を荒くする。勢いに乗った最強タッグが競馬の祭典も沸かせる。
提供:デイリースポーツ