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【日本ダービー】ジャスティンミラノ“優れた競走馬の特徴” 福田装蹄師「かなり珍しい」

スポニチ
  • 2024年05月23日(木) 05時28分
 ◇FORZA!MILANO(4)

 装蹄師は馬の蹄(ひづめ)を専門的に扱う仕事。最高時速70キロ超で走る競走馬の蹄には1つあたり瞬間1・5トンもの負荷がかかる。競走馬の命を握っていると言っても過言ではない。

 蹄を守る蹄鉄はアスリートが履くシューズに例えられる。競技者が1センチでも高く遠くへ跳び、コンマ1秒でも速く走るために大手メーカーが研さんを重ねている。アスリート最高の舞台が五輪なら、日本ダービーはさながら全世界が注目する陸上競技100メートルの決勝。そこで無敗の皐月賞ジャスティンミラノの装蹄を任されているのが、わずか2人で営む「福田和也装蹄所」だ。

 「皐月賞の時は(助手の)藤本さんに“絶対勝つから、来た方がいいよ”と言ってもらってたんですが、緊張して心臓がバクバクになるので家でテレビ観戦でした。もう、こんな感じで見てましたよ」

 福田さんは祈るポーズを再現して笑った。この皐月賞が福田さんにとってうれしい開業初G1となった。装蹄の依頼は人間関係による部分が大きい。ジャスティンミラノもスタッフから友道調教師に“福田さんに任せたいんですが”という話があり、担当に決まったという。「友道厩舎の馬はどの馬も血統のいい馬ばかりなので、日々緊張してますね」とほほ笑む。

 デビュー戦から無敗3連勝でクラシックホースとなった。福田さんは日々の成長に目を見張るばかりと振り返る。優れた競走馬は装蹄の段階でも片りんがうかがえる。ミラノにもいい意味で特異なものを感じた。

 「蹄鉄を替える時に、鉄を外して蹄をチェックします。この馬は四肢どの蹄も真っ平らなんです。普通の馬は蹄のどこかが極端につぶれたりするものなんですが、それがない。イメージですが全身でバランス良く地面をつかめているということでしょう。これはかなり珍しいと思います」

 走りのフォームは天性のものといわれる。無理のないバランスのいい走りを蹄が証明している。

 「その話を親方(兄弟子)の長谷川さんにもしたんですが、(23年牝馬3冠の)リバティアイランドも同じような感じだとおっしゃっていました。走る馬の特徴かもしれないですね」

 真新しいシューズに履き替えたミラノが決戦の地、東京競馬場に乗り込む。割れるような大歓声。輝かしい主役の脚元を最強スタッフの一員として「福田装蹄所」が支える。

 ◇福田 和也(ふくだ・かずや)1983年(昭58)8月19日生まれ。北海道浦河町出身の40歳。実家はジャミール(10年阪神大賞典含む重賞2着4回)などを生産した福田牧場。04年に栗東の松若清人装蹄所に弟子入り。兄弟子である長谷川孝文装蹄所を経て、20年春に「福田和也装蹄所」を開業。同じ浦河出身の弟子・本田圭介さん(22)と2人で同装蹄所を営む。

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