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日本ダービー・G1」(26日、東京)
一瞬の出来事だった。美浦坂路のゴールまで残り1F地点。
シックスペンスに騎乗した川田がパートナーを促すと、目標の2頭をアッという間にパス。4F52秒2-37秒7-12秒1のタイムで余力十分にフィニッシュした。スムーズな
ギアチェンジに、軽やかな躍動感と、抜群の雰囲気で22日、最終追い切りを完了した。
皐月賞を自重して迎える大一番。初めてコンタクトを取った川田は「精神的にも穏やかで、いい雰囲気のまま、きょうを迎えられたのではないかなと思いました」と相棒を評価。国枝師も「そんなに使い込んでいないし、馬も崩れることなく、余裕があるなかで成長して仕上がっている」と手応えをにじませる。
26年2月に定年を迎える国枝師にとって、悲願のダービー制覇へ残されたチャンスは2回。今回、騎乗依頼を受けた鞍上は「定年まで残りわずかとなりましたし、国枝先生に、国枝厩舎に、ダービーの称号を届けたいという思いです」と気を引き締める。
「こんなにいい馬でダービーに出られてチャンス。今年、来年で終わりなんでね」と指揮官。競馬に関わる全ての人にとって、ダービーは至高のタイトル。『幸運をもたらすお守り』という馬名由来を持つ
シックスペンスが、名伯楽に最高のプレゼントを送り届ける。
提供:デイリースポーツ