鮮やかな勝ちっぷりと、筋骨隆々な馬体から“栗毛の超特急”“
サイボーグ”と、ファンから称された
ミホノブルボン。まだ坂路調教が脇役的なメニューだった時代。この馬の活躍とともに一気に脚光を浴びていくことになった。
新馬戦は芝1000メートル。血統的に短距離向きであった
ミホノブルボンは、坂路トレーニングで着実に力をつけた。距離延長を不安視する声が多かったなか、デビューから無傷のまま
皐月賞を逃げ切りで制した。
そんな背景がある中で行われた92年の「第59回
日本ダービー」。
皐月賞後の調教過程で軽い脚部不安もあり、順風満帆で迎えたとは言えなかった。
力でもぎ取った勲章だ。与えられた枠順は、それまでに一度も優勝馬を出していない(15)番。それでも、本来の
スタイルを貫いた。好スタートを切ると1コーナーでは楽にハナを取り切って主導権を握る。
マークされる立場の逃げ馬はいつでも厳しい戦いとなるが、勝負どころで追い上げてきたラ
イバルを、直線の急坂でセーフティーリードに変えるほどの驚異的なスタミナを披露した。2着に2馬身半差をつけた
皐月賞から、このダービーでは4馬身に差を広げる圧勝劇。当時2着の
ライスシャワーに、3冠制覇をかけた
菊花賞では逆転されることになるが、ここまでは完璧に同世代のラ
イバルを力でねじ伏せていた。
提供:デイリースポーツ