「葵S・G3」(25日、京都)
絶対的王者不在の短距離路線に、新たなスター候補が誕生した。
アジアエクスプレス産駒の
ピューロマジック。類いまれなスピードを発揮し、かつて
ロードカナロアや
カルストンライトオを輩出した出世タイトルをもぎ取った。
発馬の時点で勝負あり。ゲートが開くと同時に、ダッシュを利かせてハナへ。瞬く間に1馬身のリードを取ると、前半3Fを33秒2のハイペースで通過。直線でいったんは
ペアポルックスに並び掛けられたが、粘り腰を発揮。残り200メートル地点から再び差を広げると、1馬身1/4差をつけて逃げ切った。V時計は1分7秒1。昨年の
モズメイメイと並ぶレースレコードタイを記録した。
エスコートした横山和は「馬の気持ちを尊重して乗って、結果が出て良かったです」と破顔一笑。「真面目に走ってくれるのはうれしいけど、もう少し手を抜いて走ってほしい」と苦笑いしたが、「いいスピードがあるし、真面目過ぎるのも武器になるので」と個性を前向きに捉えた。
もともとは3月に定年解散した、安田師の父・隆行厩舎の管理馬だった。「前の厩舎で、定年前に無理使いをしなかったおかげもあると思います」と指揮官。数々のス
プリンターを育て上げた父から子へ。親子でつないだバトンが今、実を結んだ。今後は放牧を挟んで夏の短距離重賞を予定。このまま
ノンストップで、ス
プリント界の頂点まで突っ走ってみせる。
提供:デイリースポーツ