今春になって一気に知名度が上がった種牡馬といえば
パレスマリスだろう。
ジャンタルマンタルが昨年の
朝日杯FSに続き、
NHKマイルCを制覇。
ノーブルロジャーは
シンザン記念で重賞初制覇を果たした。これまでに
JRAで走った産駒7頭中5頭が勝利、そして2頭が重賞勝ち馬というのは驚異的なアベレージと言える。そこで現役時代に制した
ベルモントSが今週末に開催されるということで、
パレスマリスを掘り下げてみたい。
パレスマリスは10年生まれの米国産馬。父は
カーリン(
Curlin)、母は
パレスルーマー。半弟の
ジャスティンパレスは昨年の
天皇賞(春)、同じく
アイアンバローズは昨年のステイヤーズSを制している。
通算成績は19戦7勝(重賞6勝)。2歳8月にデビュー2戦目で初勝利を挙げた。その後はクラシック路線を歩み、G1初挑戦のブルーグラスSが2着。
ケンタッキーダービーは12着。ここまでは脇役に過ぎなかったが、3冠最終戦の
ベルモントSで輝きを放つ。道中は3〜4番手を追走し、4角手前で先頭へ。そのまま後続の追い上げを振り切り、G1初制覇を果たしたのだ。
その後、大舞台では悔しい競馬が続いたが、4歳時の
メトロポリタンハンデキャップで2つ目のG1タイトルを獲得。2400mの
ベルモントSの勝ち馬が、マイルの高速決着にも対応したという点で、大きな価値がある勝利だった。
16年にスリー
チムニーズ
ファームでスタッドイン。初年度産駒の
ストラクター(本邦輸入種牡馬)が19年のBCジュ
ベナイルターフを制覇。その後もコンスタントに活躍馬を送り出している。そして24年からは北海道日高町のダーレー・
ジャパンスタリオンコンプレックスで種牡馬生活をスタート。そのタイミングで
ジャンタルマンタル、
ノーブルロジャーが立て続けに活躍したのだから、運も持ち合わせた馬といえるだろう。
弟2頭と産駒の活躍から見て、日本適性が高いことは言うまでもない。第二、第三の
ジャンタルマンタルが出てくることを心待ちにしたい。