春の最強マイル王決定戦「第74回
安田記念」の出走馬が30日、確定した。木曜追いでは東京競馬場に入厩している香港馬
ヴォイッジバブルが芝で力感あふれる走りを披露。1月
スチュワーズCでG1初制覇を飾った勢いは注目の的だ。同レースの枠順は31日に決まる。
香港の上がり馬
ヴォイッジバブルが“不気味”な動きを見せた。29日に続き、実戦で走る東京芝へ。4コーナー手前で軽くギアを上げ、5F71秒0〜1F12秒4(馬なり)で力強く駆け抜けた。蹄音が高らかにスタンドまで響き渡っているのは“無観客”で場内が静かだからだけではない。前走時で550キロ台の大型馬。香港馬らしい叩き上げの猛
パワーを体現した形だ。
騎乗したヤンキン・ラウ助手は「レース3日前に追うのはこの馬のパターン。体もだいたいできているので、調教師(イウ師)の判断もあって、そこまで強くやらなかった。坂の上りの後は右手前にスムーズに移行できた。うまくいった」と笑顔で切り出した。
昨年後半から充実一途。12月
香港マイル(2着)ではG110勝を誇る香港の至宝
ゴールデンシックスティに0秒2差で続き、日本馬の
ナミュール、
ソウルラッシュ、
セリフォスに堂々と先着した。今年1月の
スチュワーズCでG1初制覇。3月
ドバイターフ(13着)にも挑んだ。前走
チャンピオンズマイルは3着。マイルの安定感は際立っている。
同助手は「ドバイの時は輸送や調整はうまくいったが、枠順や位置取りが思うようにならず、直線の不利もあって結果が伴わなかった。左回りは対応できるし(東京の)坂の起伏が問題になることはないと思う」と力を込めた。
管理するイウ師は、10年
スプリンターズS(
ウルトラファンタジー)を制した日本でもおなじみの名トレーナー。G17勝の
ロマンチックウォリアーに注目は当然ながら集まるが、マイル実績&目下の充実ぶりから“香港第2の刺客”も侮れない。「状態は言うことありません。ただ、雨はちょっと困ります。今日ぐらいの感じ(晴れ、良馬場)が理想です」(同助手)
不安定の週末の予報さえクリアできれば、激走があっても驚かない。
スポニチ