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安田記念・G1」(6月2日、東京)
転厩初戦の京王杯SCで4着と、復活の兆しを見せた
ダノンスコーピオンが、最近では異例とも言える美浦滞在を決行。前評判通りに好発進を決めた福永厩舎の調整に、美浦の記者は興味津々-。最終リハの動向に注目が集まった。
福永祐一調教師(47)=栗東=自らまたがり、まずは角馬場でハッキング。その後、Wコースへ移動して単走で追われた。外ラチ沿いを軽快に駆け抜け、余力十分に6F85秒1-38秒4-10秒8!驚がくの数字に、調教スタンドが沸いた。
中2週のローテで2度の長距離輸送を挟むと、栗東ではソフトな仕上げにせざるを得ない。「馬にとってベストは何か?」。福永師が導き出した答えが美浦滞在だった。信頼を寄せるスタッフに調整を託し、自らの手綱で最終チェック。「動きの質が前回よりも上がっていた。ほんまに上がるんや!と思った」。期待以上の滞在成果を得て、明るい表情を浮かべた。
試行錯誤する中で、騎手時代に得た経験は大きな財産だ。「僕自身、ソフトな仕上げの馬でG1を勝ったことがなかったからね。すごくいい追い切りができた。馬の状態がいい方に向かっているのは確か。これなら掲示板ぐらいあるんちゃうかな?」。競馬の厳しさは身に染みているが、仕上げに妥協を許さず、勝負手も打った。開業からわずか3カ月でのG1制覇も決して夢ではないだろう。(デイリースポーツ・松浦孝司)
提供:デイリースポーツ