6月1日(土)に行われた、京都芝1600mの2歳新馬。出走馬がパドックへ入場してくると、「
ヒヒーン」という嘶きが連呼し、見守るファンからは「いかにも新馬戦っぽいなあ」という声も聞こえてきた。
レースは先週ここで紹介した
ダノンフェアレディが単勝2.1倍の1番人気に支持され、単勝2.8倍の2番人気が
ショウナンザナドゥ(栗東・
松下武士厩舎)。2頭のマッチレースとなり、勝ったのは
ダノンフェアレディ。半馬身差2着が
ショウナンザナドゥだったが、そこから3着には7馬身の差をつけており、勝ち馬はもちろん、2着馬の強さも際立つレースとなった。
【6月8日(土) 京都芝1600m】
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ゼンダンハヤブサ(牡、父
スマートオーディン、
母オーガストウェイ、栗東・
佐々木晶三厩舎)
きょうだいに目立った活躍馬はいないものの、母系には芝で5勝を挙げた
ミステリアスライト(
父アグネスタキオン)がいる血統。父
スマートオーディンは
京都新聞杯など重賞4勝を挙げた、今年の新種牡馬。
本馬が注目される要因となったが、5月22日のCW。3歳未勝利の
オンザプラネットとの併せ馬だったが、3コーナーで引っ掛かってしまい、遥か前方にいた古馬3勝クラスの
ゲンパチムサシに併せるような形になった。最後はバタバタになると思われたが、止まるようなことはなく、時計は6F78.7秒。ラスト1Fも12.4秒で踏ん張っており「来週ジョッキーを乗せて、6F82秒台で終い11秒台なら楽しみだね」とコメントした
佐々木晶三調教師。
そして、5月29日の1週前追い切りはレースでも騎乗予定の
団野大成騎手が跨って、CWでの併せ馬を行っている。古馬2勝クラスの
エルディアブロと互角に動いて、6F82.1秒、1F11.4秒と1週前に想定していた時計とぴったり合致。これは楽しみ。
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アンヘリート(牝、父
ノーブルミッション、
母シータトウショウ、栗東・
高橋一哉厩舎)
今年4月の
JRAブリーズアップセールにて、1000万円(税抜)で落札された
ノーブルミッション産駒。母系には
ウオッカや
シーイズトウショウ、
シスタートウショウといった名牝が名を連ねる血統。
栗東へ入厩してゲート試験を合格すると、在厩のまま調整を進めていき、1週前追い切りはCWでの3頭併せ。レースでも騎乗予定の
川須栄彦騎手が跨り、新馬
ダイシンレアレアを追走。最後の直線に向いて、後ろから追いかけてきた古馬1勝クラスには交わされてしまったものの、新馬同士の併せ馬ではきっちり先着。時計も6F82.7秒、3F37.5秒、1F11.8秒と水準以上の内容をマークしている。「牝馬ですが、飼葉食いがしっかりしていて頼もしいですね」と
高橋一哉調教師。やればやるだけ上昇するタイプかも知れない。
【6月9日(日) 東京芝1800m】
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クロワデュノール(牡、父
キタサンブラック、
母ライジングクロス、栗東・
斉藤崇史厩舎)
半姉に芝で3勝を挙げた
アースライズ(
父マンハッタンカフェ)がいる。
キタサンブラック産駒の青鹿毛といえば、
イクイノックスや
コナコーストと同じ毛色ということになる。本馬は3月14日のノーザンFしがらきから栗東へ入厩して、ゲート試験合格を済ませている。
そして、今回の入厩で本格的な追い切りを開始。1週前追い切りとなる、5月29日のCWでは、レースでも騎乗を予定している
北村友一騎手が跨って、3頭併せを一番後ろから追走。最後の直線で真ん中にいた新馬
ポートデラメールとの追い比べになり、劣勢にも見えたが、ゴール前では力強く伸びて先着。6F82.2秒、3F36.7秒、1F11.2秒と文句なしの時計をマークした。追われてしっかり反応したところが評価できるし、これでレースに向けての態勢は整った。
【6月9日(日) 函館芝1200m】
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グランカメリア(牡、父
イスラボニータ、
母ツバキエンジェル、栗東・
吉田直弘厩舎)
母系には芝で2勝、ダートで3勝を挙げた
ツルマルネオ(
父ネオユニヴァース)がいる血統。
母ツバキエンジェルは未出走で繁殖入りして、本馬が初仔となる。
5月3日にゲート試験を合格して、5月18日の坂路では4F52.7秒をマーク。2F24.5秒、1F12.2秒という後半の脚力を見せているが「動きには余裕がありましたよ」と
吉田直弘調教師。5月28日にはCWで6F82.1秒、3F37.7秒、1F11.9秒をマークしており、その後、函館競馬場へ移動している。栗東では坂路でもCWでも水準以上の動きを見せているだけに、輸送さえ無事にクリアすればというレベルだろう。なお、鞍上は
池添謙一騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)