今年で29回目と歴史は浅い
マーメイドSだが、実は名馬の母を多く送り出しているレースでもある。そこで今回は競走馬として一流、さらに繁殖牝馬としても一流だった名牝を紹介したい。
96年から05年までは別定戦だった
マーメイドS。ハンデ戦の現在と違い、実績馬が出走しやすかったので、いわゆる大物も多く勝利している。代表格は97年の
エアグルーヴ。前年の
オークス馬だが、
秋華賞(10着)の後に骨折が判明したため、これが8カ月ぶりの実戦だった。単勝1.9倍の1番人気に支持されて、直線では2番人気の
シングライクトークと一騎打ち。ラ
イバルを3/4馬身抑え、後の飛躍へとつながる勝利を手にした。
エアグルーヴは繁殖牝馬としても大成功。産駒の
アドマイヤグルーヴと
ルーラーシップがGI馬となるなど、その一族は大きく発展している。
その後も「後の名繁殖牝馬」の勝利は相次ぎ、00年の
フサイチエアデールは
フサイチリシャール、03年の
ローズバドは
ローズキングダム、04年の
アドマイヤグルーヴは
ドゥラメンテの母となっている。この頃の
マーメイドSは、まさに「名繁殖牝馬の登竜門」といった雰囲気だった。
ハンデ戦となって以降、実績馬の出走が減った。それでも13年の
マルセリーナは
ラストドラフト、
ヒートオンビートと2頭の重賞勝ち馬を輩出。そして15年の
シャトーブランシュは
イクイノックスの母となった。
今年も良血牝馬が数多くエントリーしてきた
マーメイドS。どの馬が勝ち、そして名馬の母となるのか。そういった視点でも注目したい一戦となる。