90年代の競馬はメジロ軍団が存在感を放っていた。とりわけ中長距離戦に強く、
メジロマックイーンを筆頭にGI戦線を沸かせる馬が数多くいた。そこで今回は91年から93年にかけての
宝塚記念3連覇を振り返りたい。
87年生まれのメジロ軍団は、とりわけ
タレント揃いだった。最初に頭角を現したのは
メジロライアンだ。90年のクラシックは
皐月賞が3着、
日本ダービーが2着、
菊花賞が3着。その後も
有馬記念が
オグリキャップの2着、そして
天皇賞(春)は同期の
メジロマックイーンの4着と涙を飲み続けたが、6度目のGIチャレンジとなった
宝塚記念で歓喜の瞬間が訪れた。早めの進出から4角で先頭に立つと、外から迫る
メジロマックイーンを抑えて先頭でゴール。
横山典弘騎手の力強い
ガッツポーズが、ここまでの道のりの長さを感じさせた。
翌92年は
メジロパーマーが波乱を呼んだ。前年秋には障害でも勝利を挙げていた個性派。この年の春に平地に戻ると、前走の
新潟大賞典で重賞制覇。そして3回目のGI参戦となったのが
宝塚記念だった。単勝23.1倍の9番人気だったが、得意の逃げに持ち込み、快調に飛ばす。勝負所で後続との差を開くと、直線半ばでは独走態勢。追ってくる1番人気の
カミノクレッセを3馬身抑え、悠々とゴールを駆け抜けた。ラスト2Fは13秒3、14秒0を要したが、山田泰誠騎手の積極的な騎乗が勝利を呼び込んだ。
そして93年は真打ち・
メジロマックイーンだ。前走の
天皇賞(春)では
ライスシャワーに敗れたものの、単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持された一戦。レースは横綱相撲だった。好位から早め早めの立ち回りで、4角では外から先頭に立つ勢い。ただ1頭、ラチ沿いに進路をとった
オースミロッチが場内を沸かせたが、これをきっちり捕らえると、追ってきた
イクノディクタスも1馬身3/4抑えてフィニッシュ。4つ目のGIタイトルを獲得した。
アイドル的な人気を誇ったライアン、
グランプリで2回も波乱を呼んだパーマー、そして長く王者として君臨した
マックイーン。30年以上前にターフを沸かせた同期3頭の走りは、多くのファンの脳裏に刻まれているに違いない。