JRAは4日、24年度の顕彰馬選定の結果を発表した。
コントレイルと
キングカメハメハの2頭が昨年の
アーモンドアイに続く殿堂入り。記者投票による有効投票数176票のうち、それぞれ152票、143票を獲得し、選定基準の4分の3以上(132票以上)の条件をクリア。今年から選定対象となった
オジュウチョウサンは102票で選ばれなかった。
コ
ロナ禍の競馬を支えた名馬が新たな勲章を手にした。
父ディープインパクトに続く史上3頭目となる無敗の3冠馬に輝いた
コントレイルが顕彰馬に選定。競走馬登録抹消から1年が経過した昨年から対象馬となり、昨年は選定基準に1票届かなかったが、2年目で選ばれた。管理した矢作師は「非常に光栄です。昨年がまさかの選出漏れでしたので、まずはホッとしています」と胸を撫で下ろした。
多くのファンに感動を与えたスターホース。指揮官は「コ
ロナ禍の暗い日常に輝く光をもたらしてくれた英雄」と表現した。「このような歴史に残る名馬に携われたことは矢作厩舎にとってかけがえのない財産となりました。前田晋二オーナー、ノースヒルズ関係者、そして応援していただいたファンの皆さまには感謝しかありません。今後は
コントレイルの子供たちが夢の続きを見せてくれると期待しています」とコメントした。
馬主の前田晋二氏は「光栄に存じますとともに感動致しております。世界中が困難に直面していた時、無敗で3冠を制した
コントレイルの走りには勇気づけられ、彼の活躍が未来への希望でもありました。来年は初年度産駒がデビュー致します。
コントレイルを超えていくスターホースの誕生を願い、皆さまにも力強いご声援をよろしくお願い致します」と語った。主戦騎手を務めた
福永祐一師も「ふさわしい馬だと思いますし、大変名誉のあること。とても幸せで光栄に思っています」と喜びを口にした。
引退後は社台スタリオン
ステーション(北海道安平町)で種牡馬入り。昨年のセレクトセール当歳セリに上場された初年度産駒の「
コンヴィクション2の2023」は5億2000万円(税抜き)で落札され、期待の高さがうかがえる。その預託先となる福永師も「セカンドキャリアでも競馬史に名を残すほどの活躍を期待します」と偉大な父の産駒デビューを心待ちにしている。
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コントレイル 父ディープインパクト、
母ロードクロサイト(母の父アンブライドルズソング)17年4月1日生まれ 牡7歳 現役時代は栗東・矢作厩舎所属 馬主・前田晋二氏 生産者・北海道新冠町のノースヒルズ 戦績11戦8勝(重賞7勝) 総獲得賞金11億9529万4000円 馬名の由来は飛行機雲。
▽顕彰馬制度とは
中央競馬の発展に多大な貢献があった馬の功績を称えて表彰する制度。「競馬の殿堂」とも呼ばれる。
グレード制導入の84年に日本
中央競馬会30周年記念事業として制度が発足。99年までは顕彰馬選考委員会の審議で、00年以降は報道関係者の投票で全体の4分の3以上の得票で選定されている。選定対象馬は03年4月1日〜23年3月31日に競走馬登録を抹消した馬で、現役馬と抹消1年未満の馬は対象外。過去に35頭が選出。顕彰馬のブロンズ像が東京競馬場内の競馬博物館に展示される。
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