春の
グランプリである
宝塚記念(3歳上・GI・芝2200m)は近年、
凱旋門賞の
ステップレースの意味合いが強くなっている。過去
凱旋門賞で2着となった日本馬3頭(
オルフェーヴルは2度2着)のうち、2頭が
宝塚記念を制して渡仏した馬だった。今年は
ドウデュース(牡5、栗東・
友道康夫厩舎)がこのローテを歩む予定。そこで今回は
宝塚記念からパリロンシャンへと向かった先輩の中から、印象的だった2頭を紹介したい。
まずは04年の
タップダンスシチーだ。同年の
宝塚記念で2つ目のGIタイトルを獲得。その後は
凱旋門賞に直行することが決まった。しかし、道中のトラブルもあり一旦は出走断念を発表する。それでも出走を望む声が多かったため、陣営は一転して出走を目指し、予定を再構築。強行日程で参戦した。しかし、レース当日は
テンションが上がってしまったこともあり17着に敗退。何とも悔しい結果に終わった。
続いては10年の
ナカヤマフェスタだ。2歳時に東京スポーツ杯2歳S、3歳時には
セントライト記念を制したものの、GIでは苦戦が続いていた4歳馬。前走の
メトロポリタンSを勝っていながら、
宝塚記念は8番人気の低評価だった。しかし、レースでは中団後ろから長く脚を使って差し切り。レース後には秋のフランス遠征が発表された。現地でも伏兵扱いだったが、フォワ賞(2着)を
ステップに向かった
凱旋門賞で
ワークフォースからアタマ差の2着に大健闘。日本のバリバリのトップホースでなくても、適性があれば通用することを示した。
昨年は
宝塚記念で2着に入った
スルーセブンシーズが
凱旋門賞でも持ち味の末脚を見せて4着と存在感を発揮した。今年のメンバーに目を向けると、22年に出走した
ドウデュース以外にも
ディープボンドが過去に2度
凱旋門賞に出走している。また、
ルージュエヴァイユは祖
母デインドリームが11年の
凱旋門賞馬。
ドウデュースだけでなく、こちらの2頭にも注目してみたい。
【
宝塚記念を
ステップに
凱旋門賞に挑んだ馬】左が
宝塚記念の着順、右が
凱旋門賞の着順
・04年
タップダンスシチー…1着→17着
・06年
ディープインパクト…1着→失格
・08年
メイショウサムソン…2着→10着
・10年
ナカヤマフェスタ…1着→2着
・12年
オルフェーヴル…1着→2着
・14年
ゴールドシップ…1着→14着
・19年
キセキ…2着→7着
・21年
クロノジェネシス…1着→7着
・22年
タイトルホルダー…1着→11着
・22年
ステイフーリッシュ…9着→14着
・22年
ディープボンド…4着→18着
・23年
スルーセブンシーズ…2着→4着