「
エプソムC・G3」(9日、東京)
次元の違う脚で堂々と抜け出した。1番人気の
レーベンスティールが素晴らしい伸びで昨年の
セントライト記念に続く重賞2勝目を飾った。近2走の惨敗、そして今回の斤量59キロもどこ吹く風。本来の姿を初夏の東京で取り戻した。好位のやや後ろを追走し、ルメールのGO
サインに応えて矢のように伸びて、後続に2馬身差をつけた。
テン乗りで復活Vを導いた鞍上は「すごくいい競馬をしてくれた。道中は落ち着いていたし、直線で一度手前を変えてから加速してくれた。最後は楽な勝利でした」と満足そうに振り返った。自身はこれで史上5人目となるJRA重賞通算150勝を達成。「重賞は大事。うれしいですね」と満面の笑みを浮かべた。
騎手とは対照的に「ホッとしました」と立て直しに成功して田中博師は安堵(あんど)の表情。昨年末の
香港ヴァーズは最下位の8着、前走の
新潟大賞典は11着と見どころなしの敗退が続いていた。香港で体調が良くないまま走った後遺症が出ていた前走よりも状態が戻っている手応えはあったが半信半疑。それだけに師は「また強い姿を見せられた」と結果が出たことを喜んだ。
「まだ心身ともに幼い」と評するように、パドックでのイレ込みなど課題を残す。完成の域を目指し、もう一段上のステージに挑む。
提供:デイリースポーツ