6月17日は「薩摩の日」だ。薩摩は現在の鹿児島県の西半分にあたる地域。江戸時代末期の1866年6月17日、英国公使のハリー・
パークスがこの地を訪問したことから、この日を「薩摩の日」としている。そこで同県生まれで活躍する騎手や調教師を紹介したい。
まずは
日本ダービーを制したジョッキー3人を取り上げたい。岩元市三氏は騎手時代の82年に
バンブーアトラスで制覇。調教師としてはGIを7勝した
テイエムオペラオーを管理し、師匠としては
和田竜二騎手を育てた。また、故・吉永正人氏は83年に史上3頭目の3冠馬となった
ミスターシービーの主戦騎手として知られる。そして
四位洋文調教師は騎手時代の07年に
ウオッカで
日本ダービー初制覇。翌08年には
ディープスカイで連覇を達成している。
調教師では故・瀬戸口勉氏の功績も忘れてはいけない。騎手時代の63年に
ミスマサコで
桜花賞を制覇。そしてトレーナーに転身後は
アイドルホースの
オグリキャップを筆頭に、その妹の
オグリローマン、03年の2冠馬
ネオユニヴァース、04年
桜花賞馬
ラインクラフトなど、多くの名馬を育てた。
現役では56歳の
小牧太騎手が奮闘中。現在は地方の騎手免許再取得を目指しており、5月の1次試験を突破し、7月の2次試験に備えている。地方から
JRAに転身した騎手の、地方への再移籍が実現すれば史上初となる。また、
JRAのGIを8勝している
幸英明騎手、黄綬褒章を受章した名古屋の
宮下瞳騎手も鹿児島出身だ。
最後に
武豊騎手と薩摩藩のつながりについて触れておきたい。
武豊騎手の曽祖父の故・武彦七氏は、薩摩藩士の園田家から武家へ養子に入り、日本近代馬術の祖・函館大経の直弟子として多くの騎手、調教師を育てた馬術家なのだ。それだけに
武豊騎手にも「薩摩の血」が流れているといえよう。