「
関東オークス・Jpn2」(12日、川崎)
鞍上が母の
バースデーに最高のプレゼントだ-。1番人気に推されたJRAの
アンデスビエントが7馬身差の圧逃劇。人馬そろっての重賞初制覇を決めた。2着には6番人気の船橋
ミスカッレーラが入り、3着には高知の8番人気
グラインドアウトが奮闘した。なお
ミスカッレーラは「第28回
スパーキングレディーカップ・Jpn3」(7月3日・川崎)への優先出走権を獲得した。
この日も好スタートから問答無用のハナを主張した
アンデスビエント。終始余裕を持った逃げっぷりで、一度も並ばれることのないひとり旅。終わって見れば7馬身差の圧勝。2連勝で3歳ダート女王の座を射止めた。
2年目の田口にとっても、これがJRAを含めて初の重賞タイトル。しかもこの日は、母・広美さんの50回目の
バースデー。その母は元・笠松競馬のジョッキーとして活躍。父・輝彦さんも騎手から今は同競馬場の調教師というサラブレッドの中で育った。「重賞で1番人気の馬を任せてくださったオーナー、西園先生、厩務員さん、生産者。関係者の皆さんに感謝です」と、あどけなさの残る丸顔をクシャクシャにして、スタンドからの大歓声に応えた。
ルーキーイヤーの昨年は35勝で
JRA賞最多勝利新人騎手に輝いた貫太は、2年目の今年は先週時点でJRA24勝。成長著しい20歳は「道中はフワフワとモノ見をしてたぐらい。向正面で他馬に合わせたらハミを取って反応してくれたので、終始集中して走れました」と喜びを全開させた。
西園正師も思い入れのある馬での勝利。
母アンデスクイーンは20年
エンプレス杯など交流重賞3勝。母も走った舞台での娘の強い勝ちっぷりに、「(ジョッキーには)重賞だと思わず普段通り、気楽に乗ってこいと言いました。その通り。4角を回った時に勝てたと思いました。母も8勝したし、母を継げるような活躍をしてほしい」と、自身にとっても2年ぶりの重賞Vに感慨深げだ。
今後については状態を見ながらとしたが、「母のように交流重賞が中心になるでしょう。まだまだ強くなると思います」。最後には満面の笑みがこぼれていた。
提供:デイリースポーツ