今週は土曜日に東京芝1800mの新馬戦が組まれている。出走予定の美浦所属馬で注目されているのが、
母プリモシーンの初仔、
プリモシークエンス(美浦・
木村哲也厩舎)や全姉に
メイケイエールがいる
ソロモン(美浦・
堀宣行厩舎)といったところだろう。
この番組に栗東から参戦予定は下記でも紹介した
ワンモアスマイル(栗東・
藤岡健一厩舎)。3回東京開催の芝1800mは2週目に
クロワデュノール(栗東・
斉藤崇史厩舎)が衝撃的な勝利を挙げて話題になったが、美浦と栗東が激突する今週の一戦もレベルの高いレースになりそうだ。
【6月22日(土) 東京芝1800m】
◆
ワンモアスマイル(牡、父
ブリックスアンドモルタル、
母ワントゥワン、栗東・
藤岡健一厩舎)
祖母に短距離重賞で4勝を挙げた
ワンカラット(
父ファルブラヴ)、母に芝で5勝を挙げた
ワントゥワン(
父ディープインパクト)、半兄に今年1勝クラスを勝った
ワンダイレクト(父
ハービンジャー)と、すべて
藤岡健一厩舎で管理されている、ゆかりの血統。
個人的に衝撃を受けたのは、6月5日の坂路。この日、最後の追い切りだったため、馬場は相当踏み荒らされていたが、そんな中、前半ゆったり入ったとはいえ、後半2Fが24.6秒。ラストは12.0秒で素晴らしい伸びを見せた。3F目区間で追い出された時に体が沈み、伸びる姿勢ができていて、このあたりは血統的なセンスなのだろう。
切れるというよりは持続力のありそうなタイプ、血統は全く違うが毛色からイメージできるのは
ジャックドールのような走り。ダイナ
ミックなフットワークは東京に
フィットするはずだ。鞍上は
戸崎圭太騎手が予定されている。
【6月22日(土) 京都芝1400m】
◆
ラプラーニュ(牝、父
モーリス、
母フレジェール、栗東・
渡辺薫彦厩舎)
祖母に
スキーパラダイス(
父Lyphard)の名があり、競馬オールドファンにはおなじみの血統。母系には2008年
皐月賞を制した
キャプテントゥーレ(
父アグネスタキオン)や先日引退が発表された2022年
ステイヤーズSの勝ち馬
シルヴァーソニック(父
オルフェーヴル)などがいる。
1週前追い切り以前でも水準以上の動きは見せていたが、6月13日のCWでは3頭併せが秀逸。先行していた3歳未勝利をあっさりと捕まえて突き放し、追いかけてきていた古馬3勝クラスとの追い比べになって同入。6F83.2秒は前半が遅かった分で、3F36.4秒が速く、ラスト11.2秒も評価できる。
【6月23日(日) 京都芝1800m】
◆
エリキング(牡、父
キズナ、母ヤングスター、栗東・
中内田充正厩舎)
母は現役時代にBRCクイーンズランド
オークスでG1を勝利。本馬が初仔になるが、2023年セレクトセール1歳では、2億1000万円(税抜)で落札されている。
6月12日の1週前追い切りはレースでも騎乗が予定されている
川田将雅騎手が跨り、CWで古馬3勝クラスを追走する併せ馬。6F標識の通過こそ遅いラップだが、5F標識を通過してからはそれなりのラップを踏んでいき、最後の直線にきてからは楽な手応えで前に並んで、楽に先着してみせた。6F82.8秒で3F36.7秒、1F11.2秒。ラスト2Fを22.6秒でまとめるあたりは素晴らしいポテンシャルの持ち主ということだろう。
◆
ルージュレアリーズ(牝、父
レイデオロ、
母ラストグルーヴ、栗東・
福永祐一厩舎)
半兄に2023年京王杯ス
プリングCを勝った
レッドモンレーヴ(父
ロードカナロア)がいる血統。
JRAに登録されたきょうだいはすべて勝ち上がるという、優秀な成績を残す血統といってもよいだろう。
本馬は5月16日にゲート試験を合格して、栗東に在厩のまま調整。3週前追い切りのCWでの3頭併せが上々の内容、2週前追い切りが軽くなったのは気になるが、1週前追い切りのCWがこれまた目立った。レースでも騎乗予定の
武豊騎手が跨り、3歳未勝利を追走。手応えに余裕がある形で先着しており、時計は6F80.9秒。ラスト1F11.9秒は父の
レイデオロっぽさかも知れないが、6Fトータルで見た時の能力の高さは感じる動きだった。
(取材・文:井内利彰)