「
宝塚記念・G1」(23日、京都)
上半期を締めくくる初夏のドリームレース。主役はもちろん
ドウデュースだ。昨年の
イクイノックスの得票数を更新する歴代最多23万8367票を獲得しての1位選出。06年
ディープインパクト以来18年ぶり&自身5度目のVを目指す
武豊騎手(55)=栗東・フリー=と現役最強馬のタッグが、万全の態勢を整え4つ目のG1タイトルを狙う。
2歳時の
朝日杯FSからダービーで世代の頂点に立ち、G1馬8頭が顔をそろえた昨年の
有馬記念を力でねじ伏せた
ドウデュース。
ドバイターフ5着後の国内復帰戦に定めたのが初夏のドリームレース・
宝塚記念だ。獲得票数は歴代最多。人気と実力を兼ね備えた現役最強馬が、4年連続でのG1タイトルをつかむ。
その前走の
ドバイターフは、スタートで出遅れ道中は内に閉じ込められながらの窮屈な走り。直線は前が壁になりゴール寸前でようやく外に持ち出してから鋭く伸びたものの、万事休すだった。「悔しい形になった」と主戦・
武豊が唇をかむように、勝負どころでスムーズに加速できなかったのが全て。力を出し切っての敗戦ではない。
幸い海外遠征の大きなダメージはなかったが、それ以上に
ドウデュースの体には変化が起きている。「いつも牧場から帰厩してきたときに、腹回りだったり体つきが幼く見えていたが、最近はそれがなくなった。特に今回はそうです」と大江助手。重厚な筋肉力を保持しつつ、馬体は極限まで研ぎ澄まされている。
「競走馬として完成域に入った」-。同助手の言葉を裏付けるように、主戦がまたがった1週前が至極。栗東CWで
ヴィゴラスダンサー(5歳2勝クラス)、
サトノシュトラーセ(3歳2勝クラス)を後ろから追い掛け、直線で合図が入ると一瞬で2頭を突き放した。6F79秒8-35秒2-10秒8の超抜時計。「反応も良く、落ち着いていて気分良さそうだった。何も言うことはない」と鞍上が語れば、友道師も「言うことなし」と異口同音。「ドバイはムチっとしてマイラーみたいな体形だったけど、今回はシャープ。2200メートル対応の体つきになった」と満足そうにうなずいた。
阪神競馬場が改修工事中のため舞台は、06年以来18年ぶりの京都。阪神、東京、中山に次ぐ主要4場でのG1制覇も懸かるだけに「そんな馬なかなかいないからね。決めたいね」と
武豊。直近では
オルフェーヴルや、自らが主戦を務めた
キタサンブラックなど歴代の名馬だけがなし得た偉業だ。あくまで選択肢の一つながら、一昨年と同様に秋には
凱旋門賞挑戦のプランもある。まずは秋春
グランプリ連覇で国内を“完全制圧”し、世界へと羽ばたきたい。
提供:デイリースポーツ