◆第65回
宝塚記念・G1(6月23日、京都競馬場・芝2200メートル)
宝塚記念の「考察・前哨戦編」は
大阪杯2着馬をピックアップした。
「
プロローグ」では4歳世代の意地に期待。
ベラジオオペラにスポッ
トライトを当てスタートしたが、前走の
大阪杯で同等の能力を示したのが
ローシャムパークだ。世界ランク1位に輝いた
イクイノックス(引退)を筆頭に強い5歳世代。クラシック3冠には参戦できなかったが、“遅れてきた大器”の気配が漂う。
大阪杯では、発馬こそ決めたが二の脚で置かれ気味になり、後方13番手で1コーナーへ。だが、逃げ馬不在でスローペースを見越した戸崎は、向こう正面に入るとまくり気味に進出を開始。残り1000メートル付近では勝った
ベラジオオペラの外、3番手を確保。直線でも激しい叩き合いに持ち込み首差の惜敗だった。
前半1000メートルが60秒2のスローペースで、早めに動いた戸崎の好判断が光ったレースだが、それも馬の能力があってこそ。後半1000メートル58秒0の“激流”を制した
ベラジオオペラは当然、早めに動く“ロス”がありながら接戦に持ち込んだ
ローシャムパークも、長い脚を持続できるスタミナを証明した一戦だ。
さらに今回は舞台設定が好転する。
大阪杯が行われた阪神2000メートルは、スタートから1コーナーまでの距離が325メートルだったのに対し、今回の京都2200メートルは397メートル。同様に1コーナーまでの距離が432メートルの中山2200メートルの
オールカマーでは、ルメール(今回は戸崎)が序盤から促し好位5番手をキープ。22年の
宝塚記念などG1・3勝をマークした
タイトルホルダーに勝利した。
大阪杯同様に逃げ馬不在、スローペースが予想される春の
グランプリ。好位から運べれば―。1コーナーまでの「72メートル延長」が
ローシャムパークの味方になる。(戸田 和彦)
スポーツ報知