雨を切り裂く大外一気!
中央競馬の上半期を締めくくる
グランプリ「第65回
宝塚記念」が23日、京都競馬場で行われ、
天皇賞・春2着を
ステップに参戦した3番人気
ブローザホーンが道中11番手から上がり3F最速タイの脚で差し切りV。デビュー6年目の
菅原明良(23)は
JRA・G1・23度目の騎乗で
ビッグタイトルを獲得した。開業5年目の
吉岡辰弥師(48)もG1初制覇。昨年の
有馬記念に続く
グランプリ連覇を狙った1番人気
ドウデュースは持ち前の末脚が不発。6着に敗れた。
タフなコンディションの追い比べを制し、泥んこの勝負服で引き揚げてきた。全馬が横一線にズラリと広がった直線、
ブローザホーンと菅原明のタッグが外ラチ沿いから突き抜けて、人馬ともにG1初制覇のゴールに飛び込んだ。菅原明は
JRA・G1・23度目の騎乗。「物凄くうれしい。直線は“かわしてくれたら”と必死に追っていました。パドックや返し馬から(ファンの皆さんの)応援を感じられて、やる気になりましたね。いや、強かった。今年中にG1を勝ちたい気持ちが強かったし、オーナーや関係者の皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔がはじけた。
五分のスタートを切り、道中11番手から。パートナーの末脚を信じて、焦らずに後方で脚を温存した。淀の名物“下り坂”に差しかかったところでスルスル加速。「ゲートを出てから馬と相談しようと。思ったより位置は後ろになったが4角を回った時も(手綱を)持てるぐらい余裕があり、追ったら伸びる自信があった」と振り返る。
直線は迷わず大外を選んだ。重馬場に苦しむラ
イバルを尻目に上がり3F34秒0と出走メンバー最速タイの脚で直線一気。2着
ソールオリエンスに2馬身差をつけて、
グランプリホースに輝いた。「とても持続力のある脚が魅力。スタミナと操縦性、素直なところも強みですね。まだまだ学ばないといけないことが多いので、この子と一緒に成長していきたい」と目を輝かせた。
01年生まれ、デビュー6年目の23歳。G1で初めて存在感を示したのが22年
NHKマイルCだ。18頭立ての最低人気
カワキタレブリーで0秒1差3着と見せ場をつくった。「G1で初めて馬券圏内に入り、勝ちが見えたレースでした。今までのG1で一番、印象に残っている」。その悔しさを糧に、ようやく手にした
ビッグタイトル。競馬学校の同期では団野(
ファストフォースで23年
高松宮記念V)に続くG1ジョッキーの仲間入りとなった。「
宝塚記念を勝てば、いいアピールになると思っていたので勝てて良かった。もっともっと成績を出したい。G1で信頼されるジョッキーになりたい」。ひと皮むけた人馬の快進撃が、ここから始まる。
◆
ブローザホーン 父
エピファネイア 母オートクレール(母の
父デュランダル)19年5月10日生まれ 牡5歳 栗東・吉岡厩舎所属 馬主・岡田牧雄氏 生産者・北海道新ひだか町の岡田スタツド 戦績21戦7勝(重賞2勝目) 総獲得賞金4億8537万3000円 馬名の由来は「その角笛を吹け」。
◇菅原 明良(すがわら・あきら)2001年(平13)3月12日生まれ、千葉県出身の23歳。美浦・高木厩舎所属で19年3月にデビューし、4月20日の福島6R
タイキダイヤモンドで初勝利。
JRA通算4020戦304勝、うち重賞10勝。
JRA通算107勝の三浦堅治元騎手のおいにあたる。1メートル63、45キロ。血液型O。焼き肉が好きで
ニンジンが苦手。
スポニチ